揺らぐアメリカ式自由主義経済
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揺らぐアメリカ式自由主義経済
麻生政権による経済政策の迷走が批判のマトになっていますが、リーマン・ショック以来のアメリカ政府の迷走ぶりは麻生政権の比ではありません。
政権を担当していた共和党の「アメリカ式自由主義経済」の基本中の基本は「自由競争」と「自己責任」です。「儲ける時は利益はすべて自分のモノにしておきながら、損をしたら税金で尻ぬぐいは許されない」と考え方が、政府関係者や国民の遺伝子レベルまで染みこんでいます。
ですからリーマンはいとも簡単に「自己責任」で消えてしまいました。それからその影響の大きさに初めて気がついて、アメリカ式自由主義経済の迷走につぐ迷走が始まったのです。日本の金融危機の時にあれほど厳しく日本に「自己責任」を求めたアメリカが、「金融機関への資金注入」「不良債権の政府による買い上げ」「時価会計の凍結」など次々と自由主義経済の基本を逸脱してしまいました。
でもこれは「金融システムを守るため」との大義名分があったのです。日本の金融危機の時に日本が悲痛な叫びをあげたのに、今頃になって欧米も同じことをしています。あの時日本を随分軽蔑したのにもかかわらずです。
そして今度は「雇用」を人質にとった、アメリカ自動車産業の救済です。これこそアメリカ式自由経済の標榜する「自己責任」を完全に放棄する政策です。さすがに、こればかりは、議会も呑むことが出来ませんでした。
ここまで「アメリカ式自由主義経済」の根幹が変質してしまうと、今度は「救済はするから規制も加えよう(勝手なことはさせないぞ)」との考え方が出てきます。「自分勝手に大もうけして、私腹を肥やすようなことはさせないぞ」との考え方です。
その証拠に自動車産業のトップの給料の制限や、日本の「働かない組合:官公労」ほど強い全米自動車組合に給料の大幅削減を押しつける条件を提示しています。
さあ、我が世の春を謳歌した「アメリカ式自由経済」に制限が加わると、この先どのようなことになるのでしょうか。バクチマネーに対しては是非「バクチの掛け率」に制限を加え、情報公開を積極的に進めて欲しいと思います。
また金融・自動車産業に代表されるアメリカ企業経営者の性根を叩き直さねばなりません。私の現役時代、給与のカットは真っ先に経営陣が自らに対して行いました。また大幅赤字では退職金など受け取れる雰囲気ではありません。そして日本の社長の給料はアメリカに比較したら二桁以上も多いのです。でも「私財をなげうってでも我が社の再建を」など聞いたことがありません。
世界経済を牽引してきた、アメリカの自由主義経済はこの先どのようになるのか?私たちに対する影響も大きいだけに固唾を呑んで見守りたいと思います。