金融危機 米英と欧州の戦い | 藤原雄一郎の時事通信

金融危機 米英と欧州の戦い

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金融危機 米英と欧州の戦い


11月15日からG20が開催されることになっています。世界的な金融危機に対する緊急対策会議です。米英のしでかした詐欺的マネーゲームが破綻して起こった今回の金融危機に対して何とか歯止めをかけようとフランスがやけに張り切っています。


世界通貨としてのドルにかわることが出来る通貨は今のところありません。そこで決済通貨をドルにするのではなく、「ユーロや円に中国元などを加えた通貨に分散させる新しい仕組み」も考えているようです。欧州は「出来れば米英支配から脱却する新しい秩序を打ち立てたい」と目論んでいます。猛烈な覇権争いです。


でも一番最初に問題となるのは「勝手に暴れ回るマネーの取引に、規制を加える」ことをフランスを中心とする「反米英」勢力は考えています。私は非常に良いことだと思います。でも米英は強烈に反対することでしょう。


もともとG20はG7による緊急サミットにするつもりでした。でも欧州の画策で「米英一極支配から脱却させよう」と新興国を加えたG20になりました。アメリカの覇権は確実にゆらいでいます。同時に世界は新興国を抜きにしては何も決めることができない状態になってきました。日本で行われた環境サミットで示された現状が経済・金融分野にも拡大されています。


さて問題なのは日本です。米英と欧州の間に入って日本はどのような立場を取るのでしょうか。「米国追随」から脱却できない日本をアメリカは欧州への緩衝材として使おうとしています。ここからは私の勝手な憶測で全く根拠はありませんが、聞いてください。


米英は日本のお金を期待しています。金融危機の後始末に必要な莫大なお金を日本に出させようとしています。でも日本もお金はありませんから、国債を発行しなければなりません。ただでさえ借金まみれな日本がこれ以上借金を増やしてどうなるのか世界は心配します。


そこで先日の麻生演説です。「赤字国債は発行しない」「財政健全化をはかる」「そのために三年後には消費税を上げる」と世界に向かって宣言しました。これはアメリカの差し金です。でないと今頃消費税増税など言い出すはずもありません。マスコミは無視しましたが麻生さんはG20に演説で言及したではありませんか。消費税とG20はつながっているのです。


そして「日本のお金で金融危機の尻ぬぐいをするかわりに、米英中心の世界を続行させよ」と欧州に迫るのではないでしょうか。疲弊している欧州には尻ぬぐいのためのお金はありません。万に一つもこのような事態にならないように、私たちは気をつけないといけませんが、密かに水面下で行われるこのような権謀術数を私たちが見抜けるはずもありません。


解散総選挙の時期ばかりに勢力を注ぐのをやめて、マスコミは今こそ日本に襲いかかる国難に全勢力を注いで欲しいものです。日頃から批判ばかりして馬鹿呼ばわりしているマスコミにお願いするしか私たちには方法はありません。とても残念です。


それから「国際通貨と軍事力」は一体で分けることが出来ないものです。世界を黙らすことが出来る軍事力に支えられてこそ「ドルが世界通貨となりうる」ことを忘れてはいけません。「日本がアメリカのいいなりにお金を出さねばならない」のは安全保障を米国に握られているからです。北朝鮮の脅威の迫る今、平和ボケ日本が支払う代償はかくも大きいのです。