株価乱高下 バクチマネーの断末魔? | 藤原雄一郎の時事通信

株価乱高下 バクチマネーの断末魔?

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株価乱高下 バクチマネーの断末魔?


先週はニューヨークの株価が歴史的な乱高下を繰り返し、それにつれて日本の株価もまた歴史的乱高下につきあいました。また原油価格も一時70ドルを割り、最高値から半分にまで下がりました。


とくに金融大混乱の影響が軽微な日本の株価がアメリカの乱高下につきあったことに対して不思議な感じを私は持っていました。現在の比較的安定した経済情勢の日本で、なぜあの「日本が金融危機で苦しんだ時代の株価」に近づいてきたのかが理解できませんでした。でも次のように考えると辻褄があいます。


金融大混乱で世界のバクチ屋が破綻したのは誰もが認識しています。バクチ屋は彼ら自身が莫大なお金を所有しているわけではなくて、「バクチ屋にお金を出してその稼ぎを手に入れている人々」から膨大な資金提供を受けています。年金基金などはその代表例です。


世界的なマネーゲームというバクチのインチキがばれて大きな損失を出した以上、ヘッジファンドなどのバクチ屋に出していた資金を一斉に引き揚げようとしたことは容易に想像できます。でもバクチ屋は現金を持っていません。前回述べたように「帳簿上のお金」しか保有していないのです。


そこでお金に換金できるものは何でも「損出覚悟」で売りに出したのが株価や原油の大暴落につながったと考えると道理があいます。日本の株式の売買は6割が外国人だといいます。ですから金融大混乱の影響の少ない日本が、バクチ屋の換金のために売りが殺到し、このような株価大暴落に見舞われたとしても不思議ではありません。


今回の世界的な一大バクチの原動力となったのが、長く低金利をつづける日本マネーでした。日本の安いお金が世界中に流出し、ドルやユーロとなってバクチの原資となっていました。それが「宴が終わり、後始末」の段階でドルやユーロを円に還元するためにドルやユーロを売り、円を買えば円の独歩高となっても不思議ではありません。現状はまさに「円の独歩高」です。


でもこのようなことはどうでも良いのです。バクチが去った実業の世界がこれからどうなるのか、鋭い洞察力を働かせねばなりません。またせっかく実業の世界が落ち着いてきても、いつ何時「バクチマネー」が牙を剥いて襲いかかるかもわかりません。ここでバクチマネーという虚業の世界に大きな歯止めをかけないと、人類はわけのわからない間に破滅を迎えるのではないかと心配です。新しい堅実な世界的ルールを今こそ確立して「額に汗をする」尊さがまかり通る世界にしたいものです。