麻生内閣誕生 | 藤原雄一郎の時事通信

麻生内閣誕生

藤原雄一郎 政治と経済を語る  メルマガ申し込み
http://www.melma.com/backnumber_101064/


麻生内閣誕生


自民党最後の内閣になるかも知れない麻生内閣が誕生しました。わずか20人の派閥の長が総理大臣になるとは、本人にとって誠に感慨無量だと思います。自民党の派閥がついに、ほぼその力を失った瞬間だと思いました。


閣僚名簿を総理自ら発表すると言う異例の行動はとてもよかったと思います。総理がいち早く国民に語りかけ、そして任命のポイントを一人一人、任命者自身の口で語ることは誠に意義のあることだと思います。


でも肝心の閣僚名簿を見て、私は驚きました。サプライズも新鮮さも全くないこの陣容で、果たして選挙を戦えるのかと思いました。いや「総選挙を戦う気持ち」があるのだろうかと疑ったくらいです。内閣の要である河村官房長官、鳩山総務大臣、中曽根外務大臣にはその大役がつとまるのでしょうか。


すっかり官僚に取り込まれた桝添大臣が、ここ一発の猟官運動として突然、且つ独断で後期高齢者医療制度の見直し発言をした時には「それほどまでして大臣になりたいの」と長嘆息を禁じえませんでした。早くもメディアは「お友達、二世内閣」と陰口をたたいています。


さすがに経済関係の閣僚には実力者を揃えています。また総裁選で男をあげた石波農水大臣は例のネチネチで多少は改革してくれるのではないかとの期待がわく程度でしょうか。麻生総理は「総選挙は自分だけで戦う」と意思表示した布陣だと思いました。これでは恐らく内閣支持率はあまり高まらないと思います。仮に麻生人気が出たとしても自民党人気が上昇するとは思えません。


それからとても不思議なのは自民党に危機感が感じられないことです。あたかも自民党政権が永遠に続くかのようないつもの組閣風景には驚いています。今回の総裁選は衆院選勝利のための乾坤一擲のバクチです。お祭り騒ぎを作り上げ、自民党の結束の強さとやる気を国民に示して、一挙に選挙戦になだれ込む、その気迫が自民党議員に全く感じられないのです。


安倍・福田内閣のように「勝ち馬」心理で担ぎ上げ、総理が進退窮まっても誰も支援せず見殺しにする。総理総裁を選んだ責任感のカケラもない。その自民党の体質が、麻生内閣組閣の瞬間から見えています。一旦高まった求心力も人事が終われば雲散霧消。結局要職につきたいだけで担ぎ上げた。そのような態度が色濃く出ています。いよいよ自民政権もここに終わりを告げるのかなと思いました。