衝撃 リーマンブラザーズ倒産 | 藤原雄一郎の時事通信

衝撃 リーマンブラザーズ倒産

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衝撃 リーマンブラザーズ倒産


150年の歴史を誇るアメリカの証券会社リーマンブラザーズが一夜にして倒産とは、全くもって驚きです。これでアメリカの5大証券会社のうち三番目から五番目までの3社が経営破たんしてしまいました。


アメリカの繁栄を支えてきた「金融の中心の中でも中心」がもろくも破綻したことに、大きな衝撃を受けています。世界は一体どうなるのか?日本はどのような影響を受けるのか?誰しも知りたいところですが、残念ながら私にはさっぱりわかりません。


アメリカの繁栄を支えた金融はその優秀な頭脳を駆使して儲けに儲けてきました。それがこのような惨状です。あたかも「人間が創り上げたロボットが、自分自身で判断できるようになり、頭脳を持ったロボットが人間に襲い掛かり人間を滅ぼす」というSFの世界を彷彿とさせる出来事です。


サブプライム問題とは「飲料水のためのダムに手に負えなくなった少量の細菌を投げ捨てて薄めてしまえば危険はないと安心していたところ、細菌が猛烈な自己繁殖を続けて、ついにダムが汚染されて、大切な水道から水を飲むことが出来なくなった」ようなものです。


「本来住宅購入など出来るはずのない人々に、住宅を持つことを可能にする、魔法の杖」など存在するはずもありません。その基本中の基本を犯した人々に天は罰を下したのでしょう。でもその罰は罪人だけでなく私たちにまで災害が及ぶことに大きな問題を感じます。


金融技術の根幹をなしていた「小さな金で大きく儲ける」とういうテコの原理。しかし万一のことがあってはとリスクを回避したはずのCDS(債券倒産保険)が気がつけば金庫がカラッポという現実を今回の事件では見せつけられました。そして「小さな金額で大きな損失」「その損失をカバーする保険は機能せず」という由々しき事態に突入しました。「心配事を回避するために慎重に仕組みを作ったので安心」とお行儀悪く行動したのが、その仕組み自身が虚構で、いたづらに警戒心をなくしてご乱行に走っただけ。というのが今回の真相でしょう。


今回の事件で金融技術の根幹をなすデリバティブ(将来のリスクを避ける仕組み)市場の崩壊へと発展しかねません。その場合、実体経済の3倍もある「バクチマネー」は一体どこへ行くのでしょうか。今こそこのような虚構を作り出した金融の英知が「不正をすることなくこの危機を救う」べくフル回転して欲しいものです。「ウソがばれないようにさらにウソをつく」ような金融技術はもうマッピラ御免にして欲しいと思います。


一番有効な手段は「金利を上げて、バクチマネーを調達しにくくする」ことなのですが、一番必要とする実体経済に「真っ先にお金が流れなくなる」という人質をバクチマネーは持っています。この上はヘッジファンドの徹底的な情報公開とルールに従った運用を世界中が真剣に考えるべき時だと思います。銀行なみのルールと情報公開は最低限してもらわなければなりません。しかも一刻も早くです。