机上のプランの厚労省役人
藤原雄一郎 政治と経済を語る ↓ メルマガ申し込み
http://www.melma.com/backnumber_101064/
---------------------------------------------------------------------
メールマガジン645号 2008/6/25日発行(月・水・金発行)
□□ 机上のプランの厚労省役人 □□
「道路公団民営化」で多数の高速道路が赤字路線であることが多くの国民に知
れ渡りました。その大きな原因は、着工時の採算計算です。お手盛りで採算に
合うように数字を設定し、現実とは大きな乖離があったことが指摘されました。
このような思考方法、すなわち「机上のプランの辻褄あわせ」はどうやら役人
共通のようです。現在批判の矢面に立っている、高齢者医療をはじめとする福
祉問題でも、その傾向が顕著になっています。
老人介護の問題では施設型介護から在宅介護へなど、猫の目のように行政がコ
ロコロと変わり、介護の最前線に混乱を引き起こしています。これというのも
「予算削減ありき」の前提に立って、現場の最前線を勉強しようともせずに、
机上での数字あわせで施策を決めてゆくからこのようなことになるのです。
高度成長期のお役人は「増加する予算の分配」が役得であり、権益でもありま
した。ところが時代も変わり「削減の押し付け合い」へと変化しています。こ
れはお役人の得意とするところではありません。
お役人にも同情すべき点は多くあります。年金・医療・介護など福祉分野は少
子高齢化でそのシステムそのものが破綻しています。ところが政府与党も民主
党も抜本的な制度改正には痛みが伴いますので、恐ろしくて踏み込めません。
健全野党であった昔の民主党は消費税の増税を唱えていましたが、小沢代表に
なってこれを封印し、国民の耳にこころよいバラマキへと転換しています。こ
のようにお役所の枠を超えた範囲での方向性を政治が打ち出すことが出来ず、
小手先での施策に終始するので、いきおいお役人も「机上での数字の辻褄あわ
せ」に走ってしまうのでしょう。
このような雰囲気を敏感に感じていた国民の怒りが後期高齢者医療問題で噴出
したのではないでしょうか。ここらで大阪府の橋下知事に見習って、痛みの伴
う問題の本質に鋭く切り込むべきだと思います。