どこまで本気?消費者庁 | 藤原雄一郎の時事通信

どこまで本気?消費者庁

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メールマガジン636号   2008/5/23日発行(月・水・金発行)


□□ どこまで本気?消費者庁 □□


そもそも組織には縦割りと横割りがあり、それぞれに一長一短があります。民
間では世の中のめまぐるしい動きに対応すべくある時は「縦割り」またある時
は「横割り」とめまぐるしく再編を繰り返しながら必死になって生き延びてい
ます。


でも「倒産」のないお役人の世界は縦割り思想が末端まで浸透し「省益あって
国益なし」の硬直した組織で税金のムダ使いが跋扈しています。それはお役人
の世界を束ねる絶対権力者がいないからです。


会社なら社長が絶対権限を握っています。それがお役人の世界では総理大臣に
あたるのですが、会社の社長に比較して総理大臣の官僚に対する力はきわめて
劣ります。従って官僚の世界は戦国時代のように各省のお役人のトップ、すな
わち次官が絶対権力者となり、省益最優先になっています。


さて前置きが長くなりましたが、福田総理が力を入れているのに消費者庁の創
立があります。これは各省庁にまたがった消費者行政を一元化するものですか
ら、いちじるしく省益を損なうことになります。


力の弱った福田総理にやりきることができるでしょうか。お役人は実に巧妙で
す。「組織を増やす」ことは力の源泉ですから大賛成です。結局のところ消費
者庁は出来るでしょう。でもその実態は理念とはほど遠い「屋上屋をかさねる」
ものにならないかとても心配です。


本気で消費者庁を作るつもりなら、消費者庁に機能と権限を集中し、現在各省
が持っている権限を根こそぎ削除することです。「お役所仕事」の典型である
縦割り行政はもう限界にきています。松下が幸之助さんの作り上げた「事業本
部性」という縦割り組織から脱却して見事に蘇生したのは記憶に新しいところ
です。


お役人の税金のムダ使いとともに「省益あって国益なし」の縦割り行政から脱
皮すべき時です。福田総理、本当にやり切ってくださいね。