後期高齢者医療 感情的な議論はやめよう
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メールマガジン633号 2008/5/16日発行(月・水・金発行)
□□ 後期高齢者医療 感情的な議論はやめよう □□
68歳である私はさしずめ前期高齢者なのでしょうか?とにかく後期高齢者と
いう名前だけは随分と有名になりましたが、肝心の医療制度についてはさっぱ
りわかりません。大混乱で政府与党の人気をさらに押し下げています。
このような混乱を引き起こした犯人は「お役所仕事」であり、社会保険庁をは
じめ、ろくなことをしないで度重なる失敗を続ける厚労省が一番の責めを受け
るべきでしょう。しかしこの混乱に乗じて、さらに混乱に拍車をかけて、訳が
わからにようにして政府を追いつめようとする民主党の態度にはただただ呆れ
かえるばかりです。
ここは少し冷静になって考えなければなりません。年金にせよ医療にせよ、日
本社会が若い人が多くて数少ない高齢者を支えるピラミッド構造の時は問題は
ありませんでした。でも少子高齢化で支えるべき若い人が激減している現状で
は、年金も、医療も破綻をきたしているのです。ここのところをまず考えなけ
ればなりません。
医療の場合は現在医療費の三分の一を高齢者が占めています。このまま推移す
れば、近い将来は医療費の半分を老人医療が占めて、医療制度が崩壊すること
が目に見えています。そこで医療費の圧倒的割合を占める老人にも応分の負担
をして貰おうというのが、今回の後期高齢者医療制度の趣旨なのです。
要するに「うなぎのぼり」に増大する医療費をどのように負担するかの、実に
深刻な問題なのです。この問題には国民的論議が必要です。それをマスコミも
民主党も棚にあげて「姥捨て山」とか「高齢者切り捨て」などと騒いで問題を
拡散させるばかりです。肝心の「負担は誰がするのか」の論議からわざと目を
そらせようとしています。
政府与党やお役人もこの肝心なことを国民にアピールしようとしません。「そ
れを考えるのがおまえだろう」とさらに人気が下がるのを恐れて「骨格は維持
しながら、問題点を修正する」などと、目先の影響を避けるために「医療制度
破綻」という問題を先送りしようとして逃げの姿勢ばかりが目立ちます。
国民に本当の問題点を鋭く突きつけて「老人が応分の負担をするのか」「若い
人が老人の負担を肩代わりして若年層の医療費負担を増加させるのか」ともっ
と分かりやすく国民に説明するのがお役人の責務ではありませんか。それを故
意に複雑に、わかりにくくするのが「お役所仕事」なのです。
私たちも少し冷静になって、この深刻にして重大な問題と直面しようではあり
ませんか。