日産 業績に陰りが
日産 業績に陰りが
ゴーン革命で見事に生き返った日産が国内販売で苦労しています。12ヶ月連続前年割れが続いているのです。私は前々からゴーン革命が成功したあとのことを予測して来ました。それがここに来て的中しそうです。
日産はゴーン革命以前には、全く改革の無い宝の山でした。要するに経営陣が無能であったのす。そこへ類い希なる名経営者ゴーンが登場して、見事な回復を遂げました。その結果手つかずの宝の山はほとんど食い尽くしてしまいました。
私の良く知っている超大企業がまさにそうでした。中興の祖が出現し、いままで手つかずの分野や聖域にドンドン踏み込み、まさに松下の中村改革のような見事な成果をあげました。「数百億円もするプラントを4割赤字で受注し、それを黒字にする」ということが常態化し、しかも中興の祖とは実力も格段に劣るミニ中興の祖が跋扈しだし、「黒字に出来ないのは無能の証」の意識が職場に定着しました。
しかし中興の祖が手つかづの宝の山を食いつぶして4割赤字を黒字にしましたが、達成した基準からさらに4割改善の目標はまさに「無謀であって挑戦」ではありません。しかしそれが達成できないのは無能の証ですから、容赦のない数多くの赤字受注は続き、最高益達成の翌年には目もくらむ赤字に突入しました。まさに中興の祖のイエスマンが跋扈して経営陣は裸の王様になっていたわけです。
日産では今、ゴーン革命の神髄である「約束したことは守る:コミットメント」のレベルが高すぎるとの不満の声があがっています。コミットメントレベルが無謀の域であるならば、米国のエンロンのような不正まで発展します。
トヨタと日産はまるでちがいます。日産はゴーン革命でシステムと言うかプロセスの大改革で「目標に向かって透明性の高いシステムで励む」素晴らしい改革を進め成功しました。その核心がコミットメントです。これは諸刃の刃です。トップダウンの命令に対して、日本人の特性である隠蔽体質と事なかれ主義は必ず不正を生み出します。ゴーンさんはそのあたりをどのように考えているのでしょうか?
ところがトヨタは違います。「永遠に続くカイゼン」を達成する人材育成に力を注いでいます。トップダウンではなくて、自ら考えて永遠のカイゼンに突進する人材がトヨタの財産です。ですからトヨタのアキレス腱は事業の拡大に人材がついて行けなくなった時に破綻が来ます。
トヨタには今その危機が忍び寄っています。トヨタにしろ日産にろ、これから正念場を迎えます。サラリーマンの皆さんはこのような観点から両者を眺め、ご自身の職場に生かしてください。