いつかやってくるその日。
自分では決められない日。
知り合いがエンディングノートを貸してくれた。
家族になっても
詳しく話をしている夫婦は
どのくらいいるのだろう。
たとえば家系図。
よく会う親戚と名前しか知らない親戚。
親兄弟には頻繁に会うけれど
親の兄弟も冠婚葬祭で初めて会い、
いまだに年賀状だけのやりとりが多数。
親のいとこの話をされても上の空。
孫が結婚した、ひ孫が産まれたとめでたい話を聞いても、
会った事ないと名前も生まれ順も覚えられない。
親や親兄弟に祖父母のことを聞いても
実はあまり知らなかったりする。
つい最近、叔母に
祖父母はどこで出会ったのか聞いたら
「分からんのんよね。」
子が知らない。
「〇〇市と□□市でどうやって出会ったんかね。」
「お見合いだと思うんだけどね。」
子も想像。
お次はお金関係。
どこの何に契約しているか、
お互い知っているようで詳しく知らない。
新規のガソリンスタンドや
最寄りにできた商業施設とかの
クレジットカード。
別財布だと込み入った話になかなかならない。
お互い独身の頃の延長線。
銀行口座。
ネットバンキング。
スマホのPAYシリーズ。
株式。
IDECO。
NISA。
仮想通貨。
ライフライン以外の自動引き落とし関係。
年会費が発生するもの。
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・
・
どちらかに何かあったとき
これらは大変困難な手続きとなる。
何かしらの契約、ログインID、パスワードものは
本当に必要なもの以外、整理しておきたい。
頭がしっかりしてるときはいい。
年を重ねるごとに
世の中の仕組みも変わる。
今はできていることもだんだんできなくなっていく。
今はPCや携帯で
色々とできていても
指は震え、目も悪くなり耳も遠くなる。
使い始めても、はたして終い支度ができるのか。
そして、何かあった時に誰に、どこに連絡するか。
親兄弟（親戚）は置いといて。
お互いの友達。
会ったことある人はまだしも
遠くに住んでいて
名前と思い出話しか知らない人。
今、お互いの友達情報を確認して
交友関係を何かしら保存していたとしても
環境は変わったりする。
みんなに情報を伝えてくれる代表者。
ハブ空港みたいな友人さえ押さえておけば
なんとかなる気がする。
誰と誰に連絡しないといけないか要確認。
お互いの職場。
会社の名称と場所は知っていても
電話番号登録はしていない。
HPで調べたらわかるので
今のところ電話帳登録は無しでいよう。
緊急連絡先に登録されてるだろうし。
元気なうちに自分が
契約、申請しているものを
ちゃんと整理しておかなきゃな。
心がしんどくなるから考えたくないけど、
残された側が困らないよう
ちゃんと向き合っておかないといけないこと。
20年くらい前。
親が他界したとき、
親は病を患っていたので
だんだんナースステーションに
近い病室へ変わり
日が過ぎるごとに見た目も変わって
現実を受け入れていた。
息を引き取ってからいつの間にか
葬儀屋が横にいて棺桶のランクを決め
姿のなくなった後の骨を選んで
あっという間に葬儀が終わった。
どんな順番で手続きしたのかすら覚えていない。
ただ本人が契約しているものは
全て紙に残っているものだったので
見えないものが無かったのが幸い。
いろんな手続きで悲しむ暇がなかった。
あっちこっちと動いて
いつの間にか四十九日は過ぎ
気付けば墓の前。
写真を見ては
時が過ぎていると実感する。
親も若いが自分も若い。
若くピチピチで重力に勝っている表情。
親に叱られたことも美化され
自分の都合の良いように上書きされる。
生きていくことは
人と関わっていくこと。
全てをさらけ出せる
内面バレバレの内なる自分、
社会的な外面の良い自分。
無理する時もあるけど
なるべく自分のペースで
自分の好きな人たちを大切に。
そばにいるのが当たり前ではなく
毎時毎分が貴重な時間。
ありがとね。うれしい。楽しいね。おいしいね。
どんどん言う。
笑顔を見せる。
無料のリフトアップ。
テレビ画面に映る無表情の恐ろしさったら。
ある意味、マスクがあってよかったと思える時がある。
報告連絡相談。
（言わなくても分かってくれるよね。）
そんな都合の良い話はどこにもない。
察してくれてるのは気を使ってくれているから。
相手を思っているから。
大事に大切にしてくれているから。
体調が優れない時、
ホルモン分泌が勝って
攻撃的なキツい言い方をしてしまう前に。
身体が疲れていると早めに言う。
そんな時は早く寝る。
あれやってほしい。これやってほしい。
手伝ってほしい時は素直に言う。
黙って手伝ってくれる、
そんな弟子みたいな人いない。
1度言ったからこれからもやってくれるよね。
そんなできた人はほぼいない。
自分のルールばかり押し付けず
相手の意見にも耳を貸す。
協力しあって、
色々乗り越えて
どんどん話して、
たくさん思い出作って
一緒にいるのだから。
ああすればよかった。
こうすればよかった。
何を選んでも後悔はする。
地球が動いている間は
夜が明けて太陽が顔を出す。
日が暮れていくと悲しくなって
思い出しては涙が止まらない。
泣きたいだけ泣いて
それでいい。
また朝日を浴びればいい。