ある時に「タカハシさん(fizz BEYOND)の為に作りたいので、良いですか?
10年という節目もございますし、置いて欲しいし、イメージが大まかに見えたので…」
そんなニュアンスの事を言われたのが、数ヶ月前…
もちろん言われた時、自分の頭は「?」で埋め尽くされた(笑)
オープニングから今までずっとfizz BEYONDにいるのは自分のみ…
そして、当時から「店長」ってヤツだった。
だから、「fizz BEYONDはタカハシさんの頭の中を具現化した場所であり、言動も含め生き様」
そんな事もおっしゃっていた。
色々とお話する中で、その方の中では「fizz BEYOND = タカハシ」という事なのだと感じた。
言うなれば「産み落とされた10年間の自分の化身」がfizz BEYONDに数日前に届けられた…
以前から、ふらりと当店に現れる独特の雰囲気をお持ちの方…
國分 雅彦さん(Masahiko Kokubun)
http://paper-clay-artist.wix.com/kokubunmasahiko
(拝見させていただきましたが、県内、東北にとどまらず、
都内の有名展示スペースでの展示、
誰しもが知っている全国放送のTV番組にも出演、紹介されている様です。
また、海外にも積極的に足を運ばれ、様々な場所へ赴き、門を叩く積極的な方。)
何度か作品の写真を拝見させていただいた事はあったが、実物は「圧巻」の一言だった…
独学で築いた手法で紙粘土で表現をなさる…
そして、自分が産み落とす「生命体」だとおっしゃる…
「造りたいと思う人にしか造れない。」、
(見えたり、感じないからだそうです。)
「この人の手元に置いて欲しいと思わないと委ねられない。」
そういった「想い」をお持ちの方。
気になることが沢山あった私はインタビュアーの様に、
メモをとりながら色々と國分さんに質問させていただいた。
また、アーティスティックな表現も多分に含むとは思うのですが、
「個人の観点、「感覚」…
それがあるからこその「アート」だったり、「個性のある造形」だという事もご理解ください。
ご一読下さいませ。
Q.どういった事がきっかけで作り始めたのですか?
A.自分は国が指定する難病を患っているのですが、自宅療養中に何もすることがなくて…
その時に家であるイメージが見えた。
それを描きおこしたのですが、もう下手過ぎて(笑)、話にならず…
紙粘土で造ってみたところ比較的ちゃんと表現できたので、そこからです。
なので、最初は誰かに見せる為のものではなかったんですよ。
night queen~夜想鳥~
こちらが最初に出来上がった作品だそうです。
「自分の原点ですね」とおっしゃってました。
この作品、この作品によってもたらされた「出会い」や様々な出来事も含め、
大切にしてらっしゃるかの様なお話しぶりが非常に印象的だった。
「暗がりでキャンドルに灯した際に出来る「影」も魅力的なんですよ。生き物ですから…」
國分さんはその様子を収めた写真も私に下さって、そうおっしゃっていた。
その意味合いの深さはこのやりとりから、ご理解いただけるかもしれない…
Q.國分さんにとって「作品(造形)」とは何ですか?
A.正直、別の世界にいる生命体だと思っていて…
自分は「産道」と一緒だと思っているんです。だから、「産み落とす」感覚。
だから、「これを作りたい」と思う「我」は良いんですけれど、
それ以上の「ここをこうしたい」等の「我」はダメですね。
なので、自分も紙粘土と一緒で、「道具」の一つですね。
極端に言えば、「生まれたい」と言っている生命体を「産む」という事なのだと思う。
それが故に「生命体」である訳で、
生き物が持ちうる「善」と「悪」の様に必ずある「影」も大切になさっているのではないかと感じた…
そして、「意図」や「目的」というか、「願い」にも似た事もお話下さった…
日本はヨーロッパと比較しても文化力は凄くあるはずなのに、
どんなお店にでも「美意識の高さを感じさせる物」、
「アートを感じさせる物」を置いていない…
比較的アーティスティックな洋服を扱うショップ…etc
様々な場所で「空間美」に対する意識が低い様に思えるんですよ。
それがとても残念でならないんです。
そして、「凄く大きなブランド」に対しては敏感で…
それが一概に悪いとは思わないのですが、
もっと「ネーム」等に捉われずに「素晴らしい物は素晴らしい」という
「自己判断力」、「個人力」に訴えかけたり、
もっと「美意識」、「センス」という部分に投げかけたい部分もあります。
なので、自分も断られる事の方が多いですが、
色々なところに赴き、そういった事も広めていきたいと思います。
その様におっしゃっていた…
「ビジネス」としても成立させないといけない部分ももちろんある。
生活に関わる事だから。
根本的に「音楽」、「絵画」、「建造物」、「ファッション」…
様々な「アーティスト」、「国内から生み出されるアート」や「作品」に対しての
意識、賞讃、評価のレベルは低いように自分も多分に感じる。
「センス」や「美意識」と言い換えられるかもしれないが…
もっと言えば、
「海外の方々の方が、「日本」の素晴らしさや魅力を我々なんかよりも、
よく知っているのかもしれない。
日本人が誇っても良い側面を…
そういった「観点」も世界から見た日本という国が
国際社会の中で出遅れていると言われる所以の様にも思えるから…
もちろんそういった少しでも「アート」に携わる自分の力不足も非常に感じる部分はある。
このお話を聞いた際に「出来る事から、そういった部分にも努めるべきだなとも感じた。」
それとはまた別に、
それは当店のお客様方やブランドの皆様、
関わる方々への敬意の様にも感じられてとても嬉しくも感じた。
続きはpaper-clay-art of 10th anniversary ②へと…
ご覧いただきありがとうございます
fizz BEYOND 高橋