このブログは、福島県のとあるセレクトショップで働く、27歳の一人の男のちょっとした胸の内です。

※おそらく長くなりますので、あらかじめ御了承下さい。


先日、このブログでチラっと専門学生さんのお話をさせて頂いたんですが。


授業の一環として、当店のアイテムを使用頂いてディスプレイをつくって頂くといった内容のものでした。



実は私も、その昔服飾の学校に通って、同じような経験をしていた頃がございます。



先日のその一連の流れで、改めて確認できたというか。。



私は、故郷であるこの場所で、洋服を通して何を人に伝えていくのかと。




私は、昨年の6月までは東京で生活をしておりました。


専門学校進学の為上京し、それから約8年間東京。



実は、その昔、私は故郷が嫌いでした。


どこ行っても楽しみを感じられず、不便で何もない。


驚きも感動もない。


一体、こんな退屈な場所で何をすればいいんだろうか。


そんな風に思っていました。



まあ単純に都会という場所に憧れていた部分も大きかったと思います。




もちろん、生まれ故郷には大事な家族も友人もいましたから、その部分では愛すべき場所ではありました。


そして、歳を重ねるうちに考えは変わっていき、いずれは故郷に戻り、学んだ事や経験を活かして故郷で仕事をしようと思い始めたりもし、


そんな中、あの大地震があったわけで、もちろん家族、友人が心配でしたし、どうなってしまうのかという不安もあり。


皮肉にもそれをきっかけに、故郷に戻るという決断へのピースがそろったわけなんです。



そして今現在、fizz BEYONDのスタッフとしてここにいるわけなんですが。




まだまだ復興の途中であって、光が見えない状況が続いてるわけで。



じゃあ、どうすれば希望を持てるのかと考えたとき、


やはり人なんですよね。



あの災害は自然がもたらした事ですが、じゃあ自然が助けてくれるかと言えば、承知の通りそうではない。



結局、前進するには人力なんですよね。



それも百も承知。



そして、その人力が生まれるときって、我々の生活の一瞬一瞬にあると思います。



ありがたい事に私は、大好きである洋服を通して、お客さんとお話ができ、その中で、ありがたいお話が聞けたり、嬉しいと思える瞬間があり、


それが明日への活力となっています。


大なり小なり、私からお客さんへ何らかの力を提供できていたらなと願うばかりでもあります。



一生の中で考えたら、ほんの僅かな一瞬の出来事かもしれません。


でも、その一瞬で私たちの人生はつくられているのもまた事実です。



もっと言えば、何億人と人々がいるなかで、それぞれの一瞬なんてほんと小さな事です。


でも、世界はその小さな一瞬で回ってるとも言えますよね。



その小さな一瞬を私は良いものにしたいですし、良いものだと思ってももらいたい。



この自分の生まれ故郷で、私が洋服を通してできる一瞬は、



「洋服って楽しいもんだ」


「このお店楽しい」


「このスタッフ面白い」


そして、


「こんなお店がある郡山って、良いとこだ!」


そんなふうに思ってもらえたらなって考えてたりするんです。



特に、若い世代の方達に。


見方によれば、私も若い世代なのかもしれないですが。



その昔、故郷が嫌いで、つまらないと思ってた私みたいな子に、


「福島って良いかも」とか「悪くないな」って思ってもらえたらなって。



絶対的に未来は若い世代が担うわけですから、そのときに、良いとこか悪いとこか、その基準て今の私たちが、どれだけ若い世代に伝えられるかだと思うんです。



もちろん、都会に行くのも良い事だと思います。


実際、私は行って良かったと感じてますから。



ただ、それと同時に、福島も良いとこだって感じてほしいんです。



ただそれだけ。



そんな事を、先日の学生たちを見て、改めて考えたのです。



そして、日頃fizz BEYONDを御利用頂いてる皆さまにも、そう思っていただけてたらとも思います。


もちろん、fizz BEYONDのことじゃなくていいんで、


どこか美味しいご飯屋さんとか、眺めが素敵な場所とか、何でも良いんだと思います。


楽しい、素敵と思える事を、伝え共有する事が少しでも連鎖していけばと。



そんな事を考えている、福島のセレクトショップの店員、27歳男がいるってお話でした。




ホントに長々、お付き合い頂きありがとうございます。


感謝致します。



fizz BEYOND 野口 琢