プレゼンを技術で科学する プレゼンデザイン研究所の植田です。

 

いよいよ、春になってきましたね。

 

今日は祝日なので、プレゼンからはちょいと外れて、桜と書道に関する話題です。プレゼン資料にも関係します。


まずは書道の話からです。

 

新進気鋭の書道家 陣内雅文氏


書道家 陣内雅文氏の紹介

 

「じんない がぶん」ではなく、「じんのうち まさふみ」さんです。


愛称は、「じんちゃん」または、佐賀の王羲之。

 

起業家支援のNPOの事務局 & 書道家であることは、おそらく世界で唯一の存在。

 

以下、陣内氏のHPより抜粋。

佐賀県佐賀市出身 広島県広島市在住

 

※HPではここに、路上作品で製作中の写真

 

小学1年から地元の書道教室(日本習字)に通い始める。小学6年時に生徒部8段試験に合格。高校3年時に漢字部5段認定(教授)。広島大学書道部に入る。現在は中国の書道哲学者、王海濱氏に師事。

2012年7月10日、広島市の本通り商店街にて初めて路上作品販売をする。
(写真は本通りで初めて字を書いた時

現在は広島と地元・佐賀を中心に、全国各地へ活動の場を広げ、2019年にはアラブ首長国連邦の首都アブダビで書道パフォーマンスをし、舞台を世界へ。漢字の起源である象形文字や遊び心のある筆文字アートなど、独自の世界観を表現しながら書道をもっと身近に感じてもらうために活動中。

現在、ニューヨークでの個展を計画中。

渡米資金を集めていいらっしゃいますので、みなさんもぜひ応援してください。

HPはこちらです。garyu-shodo.com

 

陣内氏はネットでの情報発信もたくさんされております。

折に触れて、作品をネットで消化されており、多くのファンがいらっしゃいます。

そして、この作品が最近アップされ、多くの「イイネ」がありました。

 

 

プレゼンデザイン研究所では、氏の了解を得て、この作品を解析してみました。

 

 

見えない線を見る


プレゼン資料において、その図形の配置を考えるとき、見えない線を意識します。

 

人の視線は見えない線に無意識に引っ張られるからです。

これが、そろっていない図面はバラバラな感じを受けるため、違和感から生じてしまいます。

 

そこで、氏の作品の見えない線を描いてみます。


この作品は、背景の桜と空の写真と氏の創作である「春」の書の組み合わせとなていますので、

一旦分解します。


なお、「春」は、写真とは無関係に製作され、そのあとに写真と組み合わされています。

 

 

下段には、見えない線を引いてみます。

 

桜の写真

 

背景の桜と空の写真は、おそらく、右の空には文字などを挿入できるように、空で空白を作っています。

実は左桜と、空の空白は、5:3の黄金分割されています。


そして、桜は5の部分の対角線上に配置されています。左上にも挿入用の空白があります。


なお、5の部分、正方形なので一辺の長さと対角線の長さは、白銀比になります。


桜の中央下に太陽光を入れて、ここが最初のアイポイントであること意識づけています。

 

さすが、プロの作品です。基本通りに使い方まで細かく配慮されています。

商業的写真家の設計意図が明確なので、利用する側も使いやすい構図になっています。



陣内氏の春

 

陣内氏の作品の春には、第一画目の強い垂直線があることがわかります。

第2画の横棒を追加することで、第一画を補強して、一画目と二画目で、文字の中心をドンと作っています。

 

第3画目から、一転して細いぎゃくぞりの横線を入れて、切替演出をしていることがわかります。

加えて、起点を左に大きくずらしてます。

単調さを回避しています。

 

特筆すべきは、第5画の右払い。ここに、字全体のイメージを大きく傾斜させる工夫があります。

しかし、第1画2画の重量感と、三角目の起点が左よりのため、字の重心バランスは崩れていません。

この右払いが、後の第一の伏線になります。

 

そして、最終角を書き終わったあとの、「日」の左上の空白。

個人的感想だと、ちょっと物足りなさを感じるのですが、これが、第二の伏線となって生きてきます。

 


桜と春と黄金螺旋

 

では、桜の写真と春の氏による組み合わせの作品に、黄金螺旋で重ね合わせてみます。

黄金螺旋とのフィッティングをより効果的にみせるために、氏による合成後の作品をトリミングしています。

 

 

 

春の右払いは、実は黄金分割の右側の矩形の対角線の一部になるような大きさで組み合わせてています。

そして、左手の桜の傾斜と合成されることで、黄金比で作られた三角形を形成します。


その結果全体の桜と春の安定感を創っています。

しかも、黄金比で傾斜左右違っているので、安定と変化がバランスしています。

これで、第一の伏線が回収されました。

 

第一画め位置が、黄金分割された桜と春の領域を分ける線に一致します。

また、3画目と4画目の交差点も、ほぼこの線上位置しています。

このことで、春の左右位置決めが確定しています。

 

春の第3画の起点が左にはみ出していることが、実はこの桜の写真の空白におびき寄せられるかのように、

凹凸が組み合されています。

このことで、春の上下の位置決めが確定しています。


 

位置決めの結果として、「日」右上の空間が黄金螺旋の収束点になっています。第二の伏線回収です。

 

全体として、左下の光源から黄金螺旋の収束点にいたるまでに春の筆順で構成されていることがわかります。

これで、桜の写真と春の文字のコラボストーリーが完成します。


 

偶然なのか必然なのか

 

実は陣内氏は、決してこのような結果を想定してこの作品を創ったわけではないそうです。

 

出来上がってみたら、「たまたま、そうなっていた。」 そうです。

 

写真からは、他の誰かの作品との組み合わせを想定した構図が十分に読み取れます。

氏の作品からは自由に見えて緻密に計算された筆遣いがわかります。

 

そして、氏は自分の作品を合わせる背景を選ぶ際に、その両者の意図を組み合わせたのではないかと思います。

 

偶然にも見えるこのコラボですが、どちらも技術に裏付けられた作品だからこそ、必然的に技術的に構成が決まってしまっているのではないかと思います。

 

無意識に型を意識出来ている。そんな作品です。


芸術家の感性に従っているとはいえ、しっかりとした技術的な基礎に裏付けられて、美しく感じる物の型=技術を持っているのではないかと思います。


 

--- いろいろな記事に続く