プレゼンを技術で科学する プレゼンデザイン研究所の植田です。
現在、にわかに(というか、表面に出ずにずーっつとありましたが)、音楽教室とJASRACとの裁判が注目を集めています。
やや重たいですが、プレゼンと著作権について書いてみます。
著作権事態をテーマとするとかなり重量があるので、このブログではあまり突っ込みませんが、問題提起はします。
著作権は、一般の方も馴染みがある「言葉」ではありますが、コレほどいい加減に勝手に解釈をされている法律もありません。
例えば、
ものを盗んだとき、「刑法違反だ!」とはいいません。
赤信号で渡っても、「道路交通法違反」ともいいません。
しかし、ネットで他人の絵をパクったとき、
「著作権法」とは、結構口にしますし、ネットにも書かれます。
でも、その違反って?具体的にどうなの?と聞いても答えられる人は少ないでしょう。
刑法や道路交通法を持ち出さないのは、「知らない、ということを、知っている」からでしょう。
又は、恐れ多くて使わない。となります。六法も知らずに使ったら弁護士に怒られそうです。
ですが、著作権法を持ち出す大半の人は、「知らない、ということを、知らない」からではないでしょうか?
なので、よく知らないけど、軽く使っている。となります。著作権の専門家って誰?というレベルです。
このギャップの既視感は
「プレゼン」の言葉を使っているが、じつは、まともに説明できないという、このブログの既視感にも繋がります。
もっとも、著作権は「プレゼン」という、人の思想や感情をパブリックに表現すること(このブログでの定義)において、
常に配慮すべきものでもあります。
よく、ネットやニュースで著作権の問題が取り沙汰されます、ネットのコメント欄はスグに反応します。
「けしからん!」とか、「コレくらいいいだろう」とかいった。これらの多くは実は「感情論」です。
ちょっと、前ですが「カメラを止めるな」の事例なんか、覚えていらしゃる方も多いかと思います。
ネットで著作権の問題だ!と騒いでいるけれど、それは建前で、実は以下2つが問題です。
- 契約意識のうすさ
信用していたとか、そんなに売れると思ってなかった。だから、カネヨコセ。
→ 曖昧な契約関係が、カネが絡んだとたんに破たんする例
- 筋を通せ
誠意(ありがとう)がない。
お歳暮がない。
この前無視した。
→ 実は、人間関係の話。
結局は、(ちょっと)有名人による、内輪のいざこざです。
自己のプライドだったり、カネの話の隠れ蓑で著作権が使われています。
報道関係も、なぜか著作権は好きですので、ちょうどいい。
著作権の皮を被って大騒ぎしますが、結局著作権の問題に至らず、ちゃんと会って話をすると、驚くほど大人的の解決が図られたケースほとんどです。
私としては、ちょっと(実は、すごく)がっかりです。
法という、論理(社会科学)に基づいて、裁判で決着付けてほしいのです。
法的に解決しない(する気がない)なら、最初から著作権などという、法律(社会科学)じみた言葉を出さないで欲しいと思います。
一方、今回のJASRACと音楽教室の件は、音楽教室という観点では、一部感情論もありますが、
こちらは完全に、法律の土俵です。
この事件は、著作権法界隈でも、わりと関心がある論点が含まれているため、ネットでは感情論ではなく、判決内容に対しての、法解釈のコメントが大勢を占めています。
今回の判決は地方裁判所での判断だったので、確実に知財高裁に進むと思いますし、最高裁で白黒つけてほしいと、
知財関係者のみなさんは願っているはずです。
上でも書きましたが、プレゼンでは、著作権は避けて通れないテーマです。
自分の著作権を尊重してもらうには、他人の著作権を尊重しなくてはいけません。
そのためには著作権とやらをきちんと、科学的(法的)に理解しなければなりません。
では、勉強しましょう・法文を読みましょう。となりますが、法律の素人がいきなり法律を読んでもわかるわけがありません。
物理学の素人が、相対性理論を専門書を読んで理解しろといわれているようなものです。
そこで、素人にもわかりやすく伝えるために、プレゼンテーションの技術が登場するわけです。
以前著作権についてのセミナーをしていた(今もしますけど。。)こともあり、
著作権についてざっくりとまとめたスライドを作りました。
著作権とは、支分権の束であって、その支分権が対象となる著作物や権利行使の対象を規定しています。
ただ、法文を読んだだけでは分かりづらいので、これを対比する形で一覧表にまとめてみました。
意外にもこのようなまとめ方をした表はありません。
法律では文言を一字一句厳密に削るように解釈するので、
専門家ほど、総じて図表を使ってイメージを伝えることはしてないように思います。
たとえ話も、裁判例や有名な「説」しか出さない(出せない)のだと思います。
青が権利の対象物
黒太字を行為
赤を行為対象者
に分類して分けています。
※ 赤を使っていますが、これは目立たせることが意図と機能として分類するためです。
上の図表を見ると、図的に一目瞭然でわかります。(あくまでざっくりですよ。ざっくりと)。
といいますか、一目瞭然でわかるように作図してます。
- 著作権は11の種類がある。 ← 箇条書き個数
- 11の権利は4つに分類できる。 ← 背景の色分け
- 複製権が、文字が少ない(限定が少なく著作権の根幹をなしている)。 ← 箇条書きの最初&文字数
- 「公に」と「公衆に」で大きく分けられる。 ← 赤文字同士の単純比較
- 翻訳・翻案、二次的著作物はちょっと毛色がちがう。 ← 背景の暖色系の色使い
こうして、外観を掴んだ後、、
では、複製権(21条)とはなにか?
「公に」にとは、なにか?
「公衆」はどう違うんだ?
とか、といった各論に入っていけます。
P.S
今回の、JASRACと音楽教室の裁判では、上演権(22条)の「公に」の音楽教室での解釈が論点の一つです。
--- いろいろな記事に続く
