2024年8月 中3道コン国語レビュー | 進学教室FiveSchools OFFICIAL BLOG

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道コンレビューです。

中3国語です。

 

大問1(漢字、知識、資料)

問1、問2

これは……読み、書きともになかなかハイセンスなチョイスだと思います。

「擁護」はSNSでわりと見かけるから案外知ってる?

「曖昧」はなんだかんだ有名なので、字面よりは正答率高いのでは。

「企てる」がどの程度の正答率になるのかが(今企画している次の参考書のネタ的に)気になります。

 

「権限」は難しくないと思いますが、「功績」は難しいと思う。

「誤る」と「謝る」は定番ですね。

 

サラッと解けるレベルのものがほとんどなく(権限ぐらい?)、良問ではありつつも厳しいレベルです。

まぁ中3だし、このぐらいでもいいのではないでしょうか。

 

問3

これはものすごくいい問題です。

ものすごくいい問題ですが、常識の範囲内で考えられる最高難度の鬼畜仕様問題です。

「品詞」を1つ答えろという定番スタイルとなんとなくでも当たりがちですけど、今回は「活用ある」「自立語」を両方理解していないといけないし、しかも「すべて」選べという……

しかも「お菓子作り=転成名詞」「大きな=連体詞」を選択肢の中に入れてくるという底意地の悪さ(誉め言葉です)。

 

FiveSchoolsのチェックテストの中で、最も難しいレベルとして出題するような問題です。

ちゃんと文法を勉強していないと手も足も出ない。

「ある程度理解しているけど、ちょっと詰めが甘い」レベルでも解けないです。

この問3をちゃんと理解して解けている生徒はもう中学国文法マスターですし、高校古典文法にもまったく問題なくついていけることでしょう。

 

いや、のっけからすさまじいですね。

中1国語の相当なものでしたが、これは中3はさらに上を行くかもしれない。

(まだ大問1の問3なのに)

 

問4

これも中下位層は相当苦手なタイプの問題です。

いやぁ、遠慮なく厳しいレベルを畳みかけてきますね。

 

問5 

ここは、急に難易度を下げてきました。

まぁ大問4でも資料問題は出てきますからね、ここで難易度を上げる意味がないので、これでいいのです。

上から目線の言い方ですが、「とてもよくわかっている」出題者だなと感心してしまいます。

 

大問2(評論)

出典:内山節「時間についての十二章」

1950年生まれ、哲学者。立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科客員教授。1970年代に入った頃から、東京と群馬県の山村・上野村との二重生活をしている。現在、NPO法人・森づくりフォーラム代表理事など。

 

二重生活、いいですね。

わたしもかなり前に札幌と東京の二重生活を検討したことがありましたが、なかなか現実的には難しく、このまま札幌で生活していくことになりそうです。

 

見開きで4ページ分という相当なボリュームで、かつ難易度もなかなかのレベル。

具体と抽象が行ったりきたりし、さらに徐々に後半にかけて経済的な話が付加されていくという、「基礎的な大学受験レベルの文章」と言っていいです。これより容易な大学受験評論なんていくらでもあります。

 

しかも怒涛の3連続記述。

 

問2、問題は素直とはいえ記述40字程度。

 

問3、連続で記述、35字程度。

問2に比べて問題文も複雑で、問われていることを整理するだけで多少時間かかります。

 

問4(1)、3連続で記述、しかも70字程度。

「今の社会」はどんな社会か、という漠然とした質問なので、何を書いていいのかがまずつかみにくい。

表にある「伝統社会」の特徴を読んで、「伝統社会」が「時間を持続するものととらえ」と書いてあるところに着目し、そこと対比的に書かれている箇所を本文から把握する必要があります。

しかも、指定語句「進歩」「遺制」が出てくるのが、次の傍線4よりもさらに後ろですからね。

 

国語のレベルを上げていくと道コンが腹をくくってきたのでしょうか。

「小手先の入試国語テクニック」みたいなものがどんどん通用しない世の中になってきています。

「地道に読解力を上げていく訓練を怠ってきた生徒が、中3の1年間でどうにか逆転する」

そんなことはもう起こりえない世界になってきています。

 

大問3(古文)

出典:道元「正法眼蔵随聞記」

道元が宋から帰朝し山城の興聖寺に住した1234〜38年ころ,彼が語った法語を筆録したもので,曹洞宗最古の記録。

 

口語訳は、解答解説に記載があるので省略します。

これも結構難易度高いのでは。

孔子の話と、藤原頼道の話が並列になっているので、それぞれが具体例であることをイメージする必要があります。

問3の図式がそのヒントになっているので、問3を手掛かりにできれば何とかなったかもしれない。

 

孔子の話の段階で「何が言いたい話なのか」オチが読めた生徒は高得点取れたはずです。

 

問1

「何を持ってきたのか」という選択肢をアに置くところが性格が悪いです(誉め言葉)。

「何をもって」で「理由」を問うことがあると知っている生徒はそれほど多くないでしょうから(今回で語彙として身につけましょう)、後ろの回答文を見てそこから推測するのが王道。

 

問2

1は中学生の問題として不適切ではないかと。

傍線部を「見た」と訳すか、「見えた」と訳すかで答えが変わってしまうんですよ。

「見た」と訳すなら「かの俗」になるし、「見えた」と訳すなら「孔子」になる。

 

高校生だと「見す=見る」「見ゆ=見える」という知識があるから解けますが、中学生の古文単語語彙に「見す」「見ゆ」の区別は通常ありません。よって、中学生の知識では本来解けない問題になってしまう。

 

まぁ、直前の助詞「を」があるから他動詞である、他動詞であれば「見える」ではなく「見る」と訳すべきだ、という推測が成り立つといえば成り立つのですが……いや、やっぱり厳しいでしょう。

 

2も「鼎殿」は「宇治の関白殿」が入ったのかどうかこの時点で知らないわけですから、「宇治の関白殿」と答えていいのかどうかちょっと怪しい。まぁ「鼎殿」が入ったわけでないのは明白なので、これは不適切だとは思いませんが。

 

問3

(2)は、本文に直接書いてないので自分で言葉を導き出さなければならない。

とてもいい問題だと思いますが、採点基準Aは不要でしょう。

 

「尊敬するかどうか」と書いてあるけど、「軽んじるかどうか」と書いても別に何の問題もないですし、そもそも「人を見た目で判断する」という言い方自体もはや慣用表現的に定着した言い方なので、わざわざ「尊敬するかどうか」と明示して書かなくても意味は十分伝わる。

 

大問4(資料)

資料がシンプルで、比較的点数取りやすい内容だと思います。

大問2で時間使い果たしていなければ、の話ですが……。

 

問4は、大問1の問4と似たテイストの問題ですね。

敬語を直す問題が多いですが、このような主述対応の問題も一度は取り組んでおくべきものです。

 

大問1の知識問題と、大問2はなかなかにヘヴィです。

大問3は、あっさり満点取れる人は取れるので、差がつきやすいかなと。

大問4は今言ったとおり、単体としてはやさしめですが、時間をちゃんと残せたかどうか。

 

全体的には資料問題が全体的に易しかった分「やや難しめ」ぐらいでとどまるかな? と思いましたが、平均点はどのように出るでしょうか。

 

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