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小川洋子の人質の朗読会を読んだ。小川洋子の主人公たちは、優しくて、いつも、他人を慮り、自分の人生を、ひっそり生きているさまざまな人達。

槍投げの青年の練習を1日みていた、奥様の話。

以下本文より

"時折、私は腰をおろす。例えばどうしようもなく泣いてしまいそうになるとき。青年は槍をかまえ、誰もいない競技場の空に槍を投げる。それは夫の魂そのものであるかのように飛翔する。槍は到底私になど手の届かない遠い地点に着地するが、心配はいらない。青年が一歩一歩また私の胸にまで届けてくれるから。"

どんなにつらい事象があったとしても、ゆるぎない確かな営みによって、心を強くできる。
あのときのあの光景を時々思い出して、勇気をいただくこと、ありますか