色々な趣向を凝らした成人式が実施される中、2018年に東アジア文化都市に認定された豊島区ではアニメで祝う成人式「アニメ成人式」が開幕された。ここ数年は、音楽成人式のスタイルをとっていた豊島区が、趣向を変えて「アニメ文化の豊島区」をアピールしながら、新成人の門出を祝う式となった。第2部は豊島吹奏楽団による「音楽のプレゼント」のコーナーへ。準備が整うまでの間、ステージ中央に掲げられた大きなスクリーンには、スペシャルムービー「アニメNEXT100」が映し出されるというアニメ成人式らしい演出も見られた。映画「君の名は。」の主題歌「前前前世」や「名探偵コナン」のメインテーマ、「鉄腕アトム」を含む全6曲が吹奏楽団により演奏され、会場のボルテージを上げていく。

  コスプレ参加もOK!という式典だったが、鮮やかな晴れ着やスーツ様子の参加者がほとんどで、コスプレ参加者は数えるほどしか見ることができなかった。会場では、職員らがコスプレ衣装で新成人を出迎え、コスプレイヤーとの写真撮影をおすすめしたり、東アジア文化都市として今後を盛り上げていくべくアンケートをとったりと、積極的にアニメ文化をアピールしている姿が印象的だった。昨年、東アジア文化都市に認定された豊島区が贈る、新しい時代の成人式。アニメの街・豊島区の今後の展開がとても楽しみだ。引き続き、あっと驚くようなコラボや企画を期待しよう。高野区長は、今放送中の朝ドラ「まんぷく」(NHK)の創業者の言葉を引用し、「国際アートカルチャー都市として世界に誇れる街づくりに、“執念”を持って取り組んでいきます」と宣言。新成人には、「目標をもって強い意志で苦難や困難を乗り越え、未来を切り開いてください」とメッセージを送った。

  アニメ成人式という新スタイルに最初は少しとまどいを見せていた新成人も、好きなキャラクターのコスプレイヤーを見つけると「完成度高い!」「記念になる!」とスマホで撮影し始める。自身の好きなキャラクターを指名し、決めポーズで記念撮影する参加者もいた。式典は第1部の「式典」、第2部の「音楽のプレゼント」、第3部の「スペシャルライブのプレゼント」の三部構成で実施された。続く第3部では歌手の五條真由美さんが「プリキュア」、松原剛志さんが「ウルトラマンコスモス」のテーマソングをそれぞれ公開。新成人たちが子どもの頃に観ていた懐かしいアニメの曲が流れ出すと、手拍子をしたり曲を口ずさんだりと、それぞれのスタイルでスペシャルライブを楽しんでいた。
司会は「ONE PIECE」のフランキー役や「機動戦士ガンダム ZZ」のジュドー・アシータ役で知られる矢尾一樹さんがつとめ、自分が演じる人気キャラクターのおなじみのセリフが飛び出す場面も。第1部は厳かなスタイルで始まった式典だったが、冒頭から会場は拍手と歓声、熱気に包まれていた。