サンクチュアリ | ドラッカーなんて深めてみる

ドラッカーなんて深めてみる

「経営者に贈る5つの質問」がよかったよー。

サンクチュアリ


日本の腐敗した政治体制を、表と裏の世界から変革しようとする2人の若者。
その二人は戦乱のカンボジアで幼少期を過ごし、日本へ帰国。社会に生きる一人ひとりの表情、瞳を見て、変革を起こすことを決意する。
といえば、サンクチュアリ。史村翔原作、池上遼一作画の漫画。



ロシアや中国、韓国と国の境界線をめぐってのニュースが飛び交う昨今に、紹介したいのがこのサンクチュアリの中のやりとり。
アメ車を売り込みに来たビセット女史(アメリカ大統領補佐官)を改心させ帰国させた、浅見(代議士)のビジョンを提示した場面。



◆vol.44 ビセット

B(ビセット女史)
「しかし、私たちはアメリカ車を日本に売りたい。
どうしたら買っていただけるのかしら。」

A(浅見)
「残念ながら。。。
だが、アメリカの車メーカーが生き残る道はあります。」

B
「聞きたいわね。」

A
「日本あるいは、ドイツの車メーカーとの合併です。」

B
「そんな事に比べたら、映画会社やプロ野球球団の買収の方がまだ許せるわ。
いいこと、ミスター浅見。
車に関してだけは、アメリカ人の感情がそれを絶対に許さない。」

A
「ビセットさん。
感情を言っているうちはまだ深刻ではない。
もし、本当にアメリカという国、車メーカーが困窮し切迫しているのなら、感情などと言っておれないはずだ。
どんな国にもその国の文化があり歴史があり伝統がある。
それぞれがプライドを持っている。
それが、共存していかなくてはならない。
大変なことだ。
要は、生きるということです。」

B
「生きる!?」

A
「富める国。貧しい国。そして、その国民たち。
国や国民がどうやって生きていくのか。
どうしたら生きているという実感を得られるのか。
このテーマの答えを見つけることが出来れば、
あなたはアメリカ合衆国の大統領になれる。
もちろん、その時は私が、日本の首相に立っている。」



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人は残念ながら、完全な存在ではない。
自分と同じ判断基準は誰一人として持ってはいない。だから分かり合えないという現象が起きてしまう。
限られた環境、部分的な情報しか得ることが出来ない不完全さも持っている。さらに、不完全な情報をもとに下される判断に絶対的な正しさを固定しようとしがちだ。
そんな状況にある二人が国を背負い、自らの利を得るところを主張し合ったところで何も創造することはできない。


必要なのは共通のビジョンを描けるかどうかではないだろうか。


ドラッカーはミッションについて「ミッションとは人に関わるものである。それは心底からのものである。正しいと信ずるものである。」と言っている。
自分にとっての“正しい”ではない。68億人にとっての“正しい”といえる単語がミッションに含まれるのだ。


浅見はそれを生きるという単語で表現をした。
68億人が今この瞬間に共有共感できるからだろう。


あなたのミッションにはどんな言葉が含まれるのだろうか。
それはきっと、今この瞬間の自分感情やイメージ、心を振動させる力を持っているのだと思いたい。





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