２６年前。美人さんのムク。
この子を思うと・・・。
麻酔無しの手術で僕を噛まなかったこと
それどころか舌でぺろぺろと
抑えつけている僕の手を舐めていたこと。
結局お腹を切開だけして手の施しようもなく
無理です、と当時の獣医が一言。
父親は「ありがとうございました」と頭を下げた。
そういう残酷な時代。
学生の頃、母から届いた手紙に
ムクが今朝永眠した、とあった。
僕は其のころ学生生活を満喫していたのだった。
離れたムクのことより、好きな女の子を気にしていた。
その時に届いた手紙に泣いた。
でも翌日には泣き止んでいた。
ク・ズ。
最期にムクに会えなかった。
もう一度ムクに会いたかった。
タローが２０１６年、母が亡くなった年にやってきた。
ムクの血を継ぐ・・・そう思えてしまう。祖母か祖祖母か。
