昔習ったが歴史を思い出すと、日本が第二次世界大戦で勝者になることは無謀だったように思える。しかし、大戦前の戦略などを読み解くと、各国の兵力さ、列強に比べた日本の力を客観的、合理的に見ていたとわかる。
秋丸機関の報告書には、インド洋の支配によりイギリスの供給網を断ち、アメリカには手を出さず、アメリカ世論を参戦・静観の2論に分断し、参戦を長引かせれば十分に勝機があると書かれている(らしい)。
そして、日本がフィリピンなど東南アジアの支配後、米世論が参戦に傾いたとしても、列島近海で備えれば、距離の2乗の戦力が必要となるため、アメリカといえども簡単には手が出せず、フィリピン返却により大義名分を失えば、日本の勝利があったように思える。しかし、実際は誰がどう見ても無謀で愚策な真珠湾攻撃を行った。聞いた話では、工作などにより純粋に戦果を求めていた山本司令官がプッシュされ、大戦前の報告書にあった戦略でない作戦が行われたようだ。ただし、この話は自分の中で、たぶんそうだったんだろうなとまだ確信ではない。
ともかく、重要なのはインド洋の制圧によるイギリス弱体化、日独によるソ連挟み撃ちなどの議論があり、そこに勝機を見出して大戦に参戦したにもかかわらず、無謀と認識されていた早期の日米大戦を行った事実である。
・日本の将来
日本は欧米に追い詰められながらもその中で最良の選択を模索し、明るい道筋も見つけていた。しかし、内外の工作、裏切りにより計画は崩れる。
これを知って、反射的に欧米へ反感を抱いてしまうが、大切なのは自分が欧米の支配層に生まれていたらきっと違う見え方をしていたということ。
確かに、今の自分は日本人であるのだから欧米の支配層に反感を抱くのは、それもまた一つの道理である。しかしながら、相手の道理を理解せず、未来永劫に敵視するべきではない。
合気道の達人、塩田氏は合気道で一番強い技を聞かれ「それは自分を殺しに来た相手と友達になることさ」と答えた。
戦後、アメリカの占領下にあった日本は、当然ながら意図的に操作された歴史が広がり、今でもその影響は残っている。そこで、我々ができることは、できる限り情報を集め知識を身に着けること。その中で、欧米に反感を抱くかもしれない。しかし、日本国民ひいては、世界がより良い世の中になるのならば、笑顔で手を取り合おうじゃないか。力を持ったものが弱者を攻撃することは容易であるが、我々はやられたらやり返すような低俗な存在ではない。やられたらやった相手の信条、世界観を理解し、我々のために笑顔で手を差し出す。これこそ、真の力である。
よって、今の日本に求められるのは勝者によって作られた歴史だけでなく、我々の歴史を学び、そのうえで世界と手を携えることである。
参考
