カウンターだけの小さなダイニングバーで、僕たちは並んで座った。

かつてそうしていたように、僕が右彼女が左だ。
彼女は顔の左から見られるのがいやだったし、僕は右側の人と話すのが何となく苦手だった。

そういった意味でも僕らは、ほんとうは相性がいいと言える。

とにかく恨み言は言わず、詳しい質問もせず、僕らは乾杯し、再会を祝った。

お互いの近況報告を簡単にして、少しリラックスしてきたのか麻奈美自身から、一年半にも及ぶ今までの放置の理由を話しだした…

「とにかく、イロイロごたごたした事が次々に起こって、あなたとニコニコとメールなんかしてる場合じゃなくなったのよ」


「うん、それで?」


「時々来るメールは見てはいたから、気にはなっていたの」


「それで?」


「そのごたごたに対して、わたしなりに決着をつけたの…割り切ったとも言えるかもしれない。
それでメールしてみたの」


「で、そのごたごたというのは?」

「それは言わない(笑)」


時折見せる無邪気なその笑顔に、またしても心をわしづかみにされてしまった…
やっぱり、この女を忘れることなんてできそうにない…
果たして、何故彼女は再び連絡してきたのか?

「イロイロなごたごたのカタがついたから…
消えるように連絡を絶たなければならなかった理由は何なのか?
しばらくは一方的にメールを入れていた俺の事は、気にかけていたとは言っていたが…


つい最近、彼女の誕生日…

散々考えた上、メールするのをやめておいたばかりなのに…


これでいい加減、彼女の事を忘れようとやっと決心したとこなのに…


決心するのに実に一年半もかかったのに…




待ち合わせ時間を30分過ぎて現れた麻奈美は、半分照れたような笑顔で
「久しぶり!」

と言った…
3コール目に麻奈美は電話にでた。

「久しぶりやな」

「うん、元気やった?」

「なんで急に連絡くれたん?」

「いままでいろんな事がありすぎて…ニコニコメールとかしてる精神状態じゃなくて…でも気にはなってたんよ…やっといろんな事が解決してすっきりしたから。」


「いろんな事ってきいても、どうせ言わへんやろな?」


「へっへっ…うん」



「とりあえず飯でも行こうか」



「うん」


俺は細かい事は詮索せずに実際に会ってみる事にした。
なにしろ、もう一生会うこともないだろうと思っていたのだ…
はやる気持ちを抑えて、次の週末に会う約束をした…

何と言うことか!

突然麻奈美からメールがきた!

ほぼ一年半ぶりにだ…

「元気にしてる?」

「どないしたん?いままでなしのつぶてやったくせに」


「うん
いろんな事がありすぎて…」



僕は思わず電話をかけた…



「もしもし・・・・」

この三ヶ月、ずっと顔を出していなかった姫華からのメールが途絶えて2週間。

全然店に行かないんで、さすがにあきらめたか…





と思いつつ、千秋の店に行こうかななんて考えてたら、メールが飛んで来た(笑)



ずっと体調不良でマジ病んでたらしいあせる


僕のことを顧客リストから外したわけじゃないらしいガーン



嬉しいような悲しいような…ブタ


とりあえず、僕も体調不良みたいな返信しておいたが、やっぱりここは義理か新しい道をつけるのか…



マジで考えてる自分がいるにひひ


オイオイあせる
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