思えばこのころの自分は刹那的で、自分の中から沸き上がって来る破滅願望と戦っていたように思う。

朝6時から仕事に出かけなくてはいけないのに、5時まで飲んでいたり、金もないのに一晩で十万位飲んでしまったり、要するに自暴自棄になっていたのだ…

数年前に大事故に合って、またしても死に損なったばかりだと言うのにだ。

いや、生き延びた事こそが苦痛だったのか…今でもこの感覚は引きずっているのだか…


彼女にはアホな客の1人にしか過ぎなかったのかも知れないが…

彼女のあの笑顔、涙、言葉、独特のツッコミ…

僕は彼女と彼女の息子との新しい生活をも夢見ていた…

それが現実逃避にしか過ぎない事もうすうす分かっていても…


僕は壊れていたが、本気だったと今でも思う。
飲み屋の女性にこんな感情を持つのは初めての事だった。


はたから見たらよくある笑い話でしかないであろう事は充分に承知していたのだが…