異常なし」というウソ
多くの女性がかかる病気として知られる子宮筋腫。手術を経験した40代の女性はこう語る。
「子宮筋腫を患い、長い間放置していたのですが、5年前にひどい生理痛や違和感に我慢できなくなって手術をしたんです。
手術後、お医者さんからは軽い口調で『うまくいきましたよ』と言われたのですが、ずっとお腹に不快感があり、しかも入院中に原因不明の高熱も出ました。でも、お医者さんは相変わらず『異常はない』としか言わない。私はその言葉を信じるしかありませんでした」
女性は退院を促されたが、その前後、なんと膣から尿が漏れたという。手術の際、尿管を傷つける失敗があったのだ。
「その後、腎臓に穴を開けて『腎瘻』を入れ、尿を直接出す手当てをしてもらったのですが、その入れ替えの際、挿入がうまくいかずに尿が逆流し、細菌感染して急性腎炎をおこしました。数日間、高熱に苦しんだ。最初は発熱の原因もわからず、こちらが調べて病名を指摘し、ようやく病院が動いてくれたのです」
子宮筋腫の開腹手術や腹腔鏡手術は難易度が低いとされるが、それでもこうしたミスで体を傷つけてしまうことがある。
また、そもそも子宮筋腫とは良性の腫瘍のことを指すので、時間をかけて経過を見つつ、患部だけを除去するという選択肢もある。しかし、病院側には子宮筋腫をじっくり治療するメリットは少ない。
医療ジャーナリストの田辺功氏が言う。
「今の診療報酬体系のもとでは、時間をかける治療は実入りが少ない。子宮の全摘出を勧めたがる病院も少なくありません。
しかし全摘出をすると、ホルモンバランスを崩したり、子宮を失ったことに大きなショックを受けたりする。若い女性であれば、もちろん子供も産めなくなってしまいます。彼女たちの喪失感は想像するに余りあるものです」
現在はUAE(子宮動脈塞栓術)という、子宮を摘出せずに動脈をふさぐことで腫瘍の成長を防ぐ方法もある。とはいえ、この治療法も、妊娠出産の際、早産や出血を起こすリスクがあるといわれている。

