
医療コンサルタントの吉川佳秀氏は、こんなひどいケースを挙げる。
「卵巣がんの患者さんでした。医師から勧められて手術を受け、当初は『がんはキレイに取れた』と言われていたんです。
しかし手術から半年経つと、お腹に張るような違和感がある。検査をしてみると、腹膜に水がたまる『腹膜播種』で、調べてみると腹膜にがんが広がっていました。その医師が手術で卵巣がんを取り出したときに、周辺臓器にがん細胞を散らしていたのです。
このように意味のない手術を行い、症状を悪化させる医師も少なくない。信頼できる医師かどうかを見きわめることが重要です」
医師は、まるで習い性のように手術をしたがる。その根底には、「手術こそが自分の仕事」というプライドや、「治療をした」という自己満足があるのだろう。

もちろん、医師や病院の「もうけのため」という側面もある。だが患者は、そのことで症状を悪化させられ、ひどい場合には死に至ることすらあるのだ。たまったものではない。
とくに女性は乳がんや子宮筋腫といった婦人科の病気にかかることもあり、手術を受けるべきか否かという重大な決断を迫られるケースが、
男性よりも多い。
女性にとって大きな脅威である乳がんや子宮がん(子宮頸がん、子宮体がん)について、医学ジャーナリストの松井宏夫氏はこう言う。
「女性特有のがんは早期で発見できた場合、手術で切除はせず、乳房や子宮を残したほうがいい。患者が高齢の場合も、進行が遅いので、無理に手術をする必要があるかどうか疑問です」
乳がんの場合であれば、乳房にメスを入れ、さらに切除することは、それ自体のストレスもきわめて大きい。
「しかし、そうした場合でも、手術が得意な医師は切りたがる傾向が強い。手術をすると患部を切除したというハッキリした結果が得られて安心するからです。一人の意思で手術の判断をしがちな開業医にはそうした人物が多いと思う。
一方、組織化された『乳がんセンター』などでは、複数の分野の専門家が話し合って手術をするかどうかを決めています」(前出・松井氏)
乳房を切られたり、子宮を取られたりといった状況に突き当たった女性の精神的なショックは計り知れない。医師はそうした「女性の尊厳」や「一人一人の人生」を考慮しているのだろうか。そうではない医師も多い。
