「清方ノスタルジア」展
年末ギリギリになって、やっと六本木のサントリー美術館へ行って
参りました。
まず、この展示会名。鏑木清方作品をノスタルジー扱いするのかな?
と、ちと違和感がありましたが、解説によると、清方自身が抱いてい
た江戸時代へのノスタルジア、という趣旨だそうです。
いつもは、鏑木清方は、過ぎゆく良き明治時代の庶民生活を描いた
という風に評されますが、今回は、もっと遡って、江戸時代の浮世絵
から影響を受けている、という企画らしいです。
という中で、あえてのあえてで挙げますと、、
『 郭の宵 』 1926 (T15)頃 福富太郎コレクション資料室 蔵
良い作品です。
細長い2本の軸に、左の軸では外の暗闇を、右の軸には室内の明
るさを対比させ、郭という題材をもって心理的には明暗を反転させる
という、にくいほどの妙技。ほれぼれしますよねぇ。
それから、今回、初めてお会いした
『 春雪 』 1946 (S21) サントリー美術館
美しき、清方美人画です。
一方で、サントリー・コレクションって、近代日本画もあったの?と驚
きました。HPには古美術品のみの所蔵情報だし、大阪の天保山
にあるのは西洋画のみだと思っていたのですが、そうでは無かった
のですね。古美術と西洋画以外の図録は発行されていないので、
その内容が不明でした。
これは会場で聞いてみるしかない、と楽しみにして出かけたものの、
ところが、ショップの店員さんに尋ねてみるや、学芸員さんが全員
出払ってられてて判らないとの回答。う~む、残念。
# 買って帰った今回の展示会図録の解説を読んでいたら、近代
日本画所蔵はほとんど無くて、鏑木清方作品だけは特別との
ことだそうです。
天保山が、あと1年で休館になってしまうことで、そのコレクション
の展示扱いも興味あるところでして(内心、サントリー美術館で定
期的に展示してほしい)、次の機会に聞いてみることにします。