「皇室の名宝―日本美の華」展 | FishEyeArt blog

「皇室の名宝―日本美の華」展


第1期は 11/3まで。
http://www.tnm.go.jp/jp/servlet/Con?pageId=A01&processId=02&event_id=6890


混んでました。同じ、宮内庁三の丸尚蔵館所蔵品の展示会なんです
が、東京国立博物館のマーケティングの旨さを感じてしまいます。


いつものように、いくつかピックアップ。



唐獅子図屏風 』 狩野永徳・狩野常信 筆  六曲一双  各223.6*453.5
   右隻:安土桃山時代(16C)、左隻:江戸時代(17C)


目に入ってきて開口一番、


でかっ!


縦2メートル、横4.5メートルの ×2だから、横9メートルの大き
な作品。こんなに大きな作品だったんですねー!


この絵を背にして、

「それで、異論はあるまいな?」
「ははっ、殿。しょ、承知いたしましたにござりまする。。」


といった、駆け引きがたくさん行われてきたような、そんな情景が
目に浮かびます。


NHKの大河ドラマも映画も、実は歴史よりも、ずっと、おとなしす

ぎるのかもしれませんね。



動植綵絵 』 池辺群虫図  伊藤若冲 1761(宝暦11)


若冲の、この作品群の一部を以前鑑賞した際には、絵画というより
は博物図鑑だろうと思ったのですが、ともかく、今回の展示会の目
玉です。


その中で、「池辺群虫図


とのさまガエルを軸に描いた作品は、小茂田青樹が最初だと思っ

ていたのですが、先が居ましたか。


でも、やはり、小茂田青樹の作品は詩情豊かに完成しているで

しょう。

 『 緑雨 』   1926 (T15)  五島美術館
 『 四季花鳥 』 1928 (S03)  講談社野間記念館



花鳥十二ヶ月図 』 酒井抱一  1823(文政6)


抱一は、良いですなぁ。。



保存と手入れが特段に良いでしょう。どの作品も、汚れが少なく、

年月が経ったように見えません。


朝陽霊峰 』 横山大観  1927 (S02)


などは、金具も新品のような金ピカで、「今回の新作」と言われて
も、みんな信じてしまいそうな新しさです。


その他、

 横山大観 『 龍蛟躍四溟 』 1936 (S11)
 西村五雲 『 秋茄子 』 1932 (S07)
 竹内栖鳳 『 虎之図 』 1928 (S03)


などが観られたら良かったのですが、それらは出ていませんでした。


鏑木清方 『 讃春 』 1933 (S08)

が出ていますので、これは、お勧めです。


あと、こちらもお忘れなく。


東山魁夷・高山辰雄 筆
 『 悠紀・主基地方風俗歌屏風(平成度)』 1990 (H02)



そして、今回の、一番の期待は、


上村松園 『 雪月花 』 1937 (S12)


今回の展示会告知があるまで、松園の、こういった作品があるとは
知りませんでした。三の丸尚蔵館からの情報も気づかなかったので
す。


作成に20年かかったとのことですが、松園の作品を見てみると、、
』 が 1918 (T07)で、『 序の舞 』 が 1936 (S11)ですので、
20年の間、描いては消してということでは無くて、松園自身の機が

熟すのを待ってもらっていた、ということでは無いでしょうか。


満足です。