ミケランジェロとアンソールの同名作品
こんばんわ。FishEyeアートです。
先日、キンベル美術館に新たに収蔵された、ミケランジェロの最
初の作品、『 聖アントニウスの誘惑 』 1487-8頃
についての記事を掲載しました。
http://ameblo.jp/fisheye-blog/entry-10287314272.html
今でいえば、ミケランジェロ、小学6年生か中学1年生の時の作品
ということに驚愕至極なのですが、この題材は、いろんな人が取り
上げています。そして、今、MoMAにて大回顧展が行われている
アンソールも、同名の作品を残しているのです。
『 聖アントニウスの苦難 』 1887 ニューヨーク近代美術館蔵
http://www.moma.org/collection/browse_results.php?object_id=80683
周りに悪魔が飛び交うのは同じですが、ミケランジェロのは中世
建築物の装飾彫刻に現れるような悪魔たちの描写がするどく、
一方、アンソールのは形も不確かで、「抽象画」といって良い表現
です。
「抽象画」と、今でこそ、その言葉で簡単にカテゴライズしてしま
いますが、これが描かれたのは 1887年。モネの『 睡蓮 』が、
彼の目が悪くなって、半ば見えない状態にて描いたものが抽象
画の走りとされるのも ( と、先日紹介した、ロックフェラー氏の回
顧録に記載されてました。この本は美術内容の宝庫です! その
件は、別途、ご紹介し直します )、20世紀に入ってからですから、
アンソールの作品が、いかに前衛的な表現であったか、と言える
ものだと思います。
MoMA アンソール展に関する過去記事はこちら
・2009-06-28「MoMAアンソール展 Flash図録公開」
http://ameblo.jp/fisheye-blog/entry-10289274584.html
・2009-06-05「アンソール展 ~ from MoMA」
http://ameblo.jp/fisheye-blog/entry-10274388442.html
・2009-05-08「MoMAの年間スケジュール表」
http://ameblo.jp/fisheye-blog/entry-10256743342.html