フォルクヴァンク美術館 その4 | FishEyeArt blog

フォルクヴァンク美術館 その4

こんにちわ。FishEyeアートです。 ビール


クールベ、コロー、ヴラマンク、マルク、キルヒナー、ノルデ

をアップしました。



さて、この美術館の経緯、続きです。


オストハウス氏亡き後、エッセン美術館のコレクションと統合。

エッセン市民の協力をもってフォルクヴァンク美術館財団も設立さ

れて、ゴーゼブルフ氏を館長として美術館は発展を続けました。


しかし、1933年になると、ナチスはフォルクヴァンク美術館に対して

あからさまに嫌悪感を表明するようになり、そして、ゴーゼブルフ氏

は館長の座を降ろさせられてしまいます。


遂に 1937年に、コレクションの半数以上にのぼる作品が、ナチス
によって 「廃退美術」 として押収されてしまうのでした。


1996年から97年にかけて日本で開催されたフォルクヴァンク美術

館展の図録において、当時の館長:ゲオルク・W.ケルチュ氏は、

巻頭の解説文に、「フォルクヴァンク美術館に由来する重要な作

は、今日世界中の大美術館の壁を飾っている」と記しています。


どの作品が、どこへ移ったのか、興味あるところですが、その弁に
は、歴史とはいえ、強い無念の思いがこもっているでしょう。


そして、とうとう、1944年には美術館そのものが解体されてしまい

ました。


幸いにして、その時点において美術館に残っていた作品は避難さ

れており助かったのですが、フォルクヴァンク美術館が蘇るには、

終戦後、しばらく時間を要するのでした。


続く。



ナチの絵画略奪作戦/エクトール フェリシアーノ


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