オルブライト=ノックス美術館 その2 | FishEyeArt blog

オルブライト=ノックス美術館 その2

その2は、ゴーギャン、ヴュイヤール、エルンスト をアップしま
した。


ゴーギャン 『 黄色いキリスト 』 1889
は、きっと AllPostersに画像があって、ココに貼れると思っていた

のですが、ありませんでした。
オルセー美術館の『 黄色いキリストのある自画像 』 1889-90
の背景にある絵です。


この作品は、
『 説教の後の幻影(ヤコブと天使の格闘)』 1888 スコットランド美術館
との連作でしょう。共に、信者の心の中に浮かんでいるであろうイ
メージと、その信者たち自身とを絵にしたシリーズものだと思うの
です。


1888年から89年にかけて、ゴーギャンはタヒチに渡る直前、それま
で彼が溜め込んでいたアイディアを一気に吐き出すかのように多量
に制作しています。


『 マドレーヌ・ベルナールの肖像 』 1888 グルノーブル美術館
では、人様の奥方を、こんなに風に描ける? 罪な親父 ?? という
感がしますし、


『 ゲッセマネの園の苦悩 』 1889 ノートン美術館
では、キリストの姿を自画像と重ね合わせてまで、自らの落胆度を
示すという、大胆不敵ながらも、丸裸までの焦りを表現してしまっ
ているのには驚いてしまいます。


タヒチに渡ってからも彼の焦りは作品に現れていると思いますが、
なぜか、いろんなところで、その焦燥感に同感するときがあります。


やらねばならないこと、感性が衰えること、Price to Pay 、、、


ゴーギャンの一番の魅力は、その「焦燥感への共感」にあるように
も思えることがあるのです。



さて、今年、ボストン美術館蔵の大作、
『 我々はどこから来たのか、我々は何か、我々はどこへ行くのか 』 1897
が名古屋の姉妹館に来た後、東京近美にも来ますね。
2009/7/03(金)- 9/23(水・祝)


別途、展示会情報にもアップします。