加山又造展へ行って参りました。
日経の販売店のお兄さんが期間限定の入場タダ券を家のポストに
入れていってくれたので、「ラッキー!」と思いながら、国立新美術
館で開催されている加山又造展へ行ってきました。
平日の夕方の閉館間際、六本木駅から「遠いなぁ」と感じながら、
焦って歩いて駆け込んだ展示会場は、大型屏風絵の連続迫力パ
ンチ。
こと、今回、良かったぞなもし、と感じたのは、
『 奥入瀬 』 1962(S37) 六曲一双 各168.3*376.0 個人蔵
奥入瀬の水がゴツゴツと氷で固まったかのようにあり、それでいて
岩場の合間を勢いよく流れています。
奥入瀬というと小野竹喬の作品などのように、流れの動きそのも
のを思い浮かべますが、この作品のように、固く激しく奥入瀬全体
を表現したものは、他には例が無いでしょう。
加山作品は、その後、線によって水の流れを表現するようになっ
ていきましたので、この作品だけは特別なトライアルであったよう
にも見えます。
『 夜桜 』 1982(S57) 四曲一双 各165.0*324.0 光記念館
右隻の篝火の色が不気味です。赤みが無く、黄色とも白ともいえ
ないような、ぼーー とした色なのです。
燃える薪はパチパチと音は立てています。しかし、魂の玉のよう
に、いまにも静かに動きだしそうな燃え方もしています。
前評判で聞いていたのとは違って、ちょっと怖~い絵でした。
所蔵の光記念館って、どこだろうと思って調べてみたら、
岐阜の高山にある美術館なのですね。なんだか、すごい
建物みたいですけど、一度、行ってみたいです。
http://h-am.jp/index.html
それと、1990年に入ってからですか、展示会の図録の最後には
一覧形式の作品リストが必ず掲載されるようになりました。これ
は海外の図録では無いようなので、日本のアイディアだとしたら
自慢して広めたいところですね。
それが、今回、英語版が付いていたのです。これは、びっくり。
六曲一双は " a pair of six-fold screens " とか。
図録も進化してるぞって、感じです。^^