新婚旅行から帰ったら
嫁としての、修行のようなものが始まった。
それまでは、嫁になる人。
嫁としての修行は、今思うと、単なるいじめだと思う。あんないじめによく頑張ったな私と思う。
仕事が終わって、週末は義母家に寄るオキテが、作られた。
行く途中、思いやりのない場所に行くのが(今だからそうだっただと思える)いやで涙が出てきて、行かないでおこうと何度も思った。
そこにご飯があるから食べなさいね と優しい言葉があるが、実際には、何もないのだ。
かといって、ものすごく広いキッチンを勝手には使わせては貰えない。
冬は、私には夏の布団が用意されていたこともあった。
しかし、夫には、自分がどんなけ嫁に素晴らしいことをしてあげてるかを、笑顔で説明をし続けるような義母だった。
朝は、夫には特別に、豪華絢爛な朝食。
和食か洋食か?卵料理のスタイルから、魚調理のスタイルまで、聞いてくれるのだ。
夫は、この頃、やはり仕事疲れで、起きるのは10時ごろ。私は朝5時だったので時差が生じる。
私が、夫に朝食を作るのはできない。
キッチンは義母の城で、誰も入れない領域だった。
夫は、私も、同じものを食べていると思っていたようだ。
いいな、食べるものがあって。ちょっとちょうだいと、いって、少し分けてもらったことがある。
その時、夫は気づいてくれた。
しかし、義母も、私が夫からご飯を分けてもらったのを見たのだった。
この後、私は、裏に呼び出され、ものすごくしつこく叱られることになる。
一時が万事、言い返すと、さらにどこかで悪口を言われ、困った。
夫が義母に、文句をいうと、夫の前では、笑顔でオッケーを出すが、また電話がかかってきたり、呼び出されたりで
私の辞書にはないような、意地悪をされる。
これが嫌で、だんだんと何をされても、夫には言わなくなっていったのである。
どうせ、何も解決はしない。