私の愛用の「ローカルモーション」のサーフボードをレンタカーに積んで波浮港へ向かう。

まもなく、伊豆大島のサーフポイントである波浮港へ着く。

風に揺れ動く木立の深いグリーンの向こうに、波浮の岩場が見えた。

真っ青な海だ。

太平洋のスウェルのセットが次から次へと押し寄せてくる。

一番手前のオーバーヘッド級の波が白くブレイクしていく。

私が波浮の波を初めて見た時、全身に鳥肌が立った。

こんなデカイ波が日本でも立つのかと感動したのを今も覚えている。

20歳の時だ。

大島グランドの千葉政夫さんはアメフトの先輩で、大島はいい波が立つから来てみなと言われやってきたが、予想以上にいい波が立っていた。

降り注ぐ透明な大島の強い日差しと吹き抜けるオフ・ショアの風が、20歳の肌に快い。

レンタカーの窓を全開にして、ラジカセの音量も最大にしてカラパナを聴く。

車の中に吹き込んでいる風は春なのに、もう初夏だ。

国学院の小野はもうボードにワックスを塗り始めている。

私も車から降りて波浮の波を見ていると、山の上から吹くオフ・ショアの風にあおられて高く盛り上がったトップから白い飛沫の幕が、たてがみのように空中へ逆立っている。

崩れきる寸前の波はすさまじいパワーをたたえている。

しかも海の下は岩場だ。

ワイプアウトしたら御陀仏だ。

小野はもうシーガルのウェットスーツに着替え終わっている。

よしと決意し、自分もウェットに着替え、ボードを抱えて崖下へ降りていった。

アーメン。

いっちゃんのビタミン剤

ベンチャー・コラボ

大島・波浮港