市場メカニズムの大切さ
1991年にベルリンの壁の崩壊後にドイツへ出張した。
そこで見た東と西の経済格差に愕然とした。
社会主義の東ドイツでは、エリート教育を受けた一部の官僚が価格決定や資源の配分機能を握って製造された車は、トラバットという日本のスバル360以下の車であった。
東ドイツではアニマルスピリットは育たず、価格に効率性はなく、結果的に市場のコストを上げ、国民への分配のゆがみを生んでいた。東ドイツではとにかく物がない。商店に売るべき品物がなかった。
今の中国に代表されるように、国家統制色の強い経済では富の著しい不平等を生む。
故に、あれだけの不正が中国で摘発されるのだ。
逆に西ドイツを訪問した時に、アウトバーンと呼ばれるフリーウェイではベンツやアウディ、BMW、ポルシェが時速200キロ近くで走行していた。
東ドイツのトラバットもドイツが分断される前は同じアウディであったと聞いた。
人間の欲望をベースに、市場のメカニズムに任せて富を創出し分配する方が正しいと実感した。
国家や官僚による企業への介入はできる限り少ない方が良いのである。
ビジネス経験のない官僚は企業を側面から支援するだけで良い。
企業があって富を生むことを官僚は忘れてはならない。
日本で企業活動することが国際的にも有利であるという基盤作りが官僚の仕事だ。
そうしなければ企業活動の拠点を海外に移され、日本の富が国外へ流出してしまう。
25年前のドイツ訪問から、ふと今の日本を思った次第である。
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