必読です!!☺

流行とリアルをバランス良くミックスした
バブル最盛期の若者たちの暮らし
美術監督 相馬直樹
舞台は1980年代後半の静岡。バブル最盛期の恋する男女の物語を描くのにもっとも苦労したのは、画に映るすべてをその時代のものにすることだった。同じ時期に青春を過ごしたという美術監督の相馬直樹さんは、自身の思い出を振り返りながら本作の美術プランを考えていった。 「今はもう古いものばかり。イメージを描いた後に、あまりにも手に入らないと困ってしまうので、装飾部のスタッフと相談しながら考えていきました。僕は結構無茶な要望もしたのですが、わがままをよく聞いてくれました」


静岡にある設定の主人公・鈴木の部屋は、6畳ほどの和室がある1DKのアパート。室内は、地べたに布団が敷かれ、本棚には趣味の小説が並ぶ。黒電話、ブラウン管のテレビや扇風機、さらにVHSテープなど懐かしいものが揃う。静岡にある設定の主人公・鈴木の部屋は、6畳ほどの和室がある1DKのアパート。室内は、地べたに布団が敷かれ、本棚には趣味の小説が並ぶ。黒電話、ブラウン管のテレビや扇風機、さらにVHSテープなど懐かしいものが揃う。 「なるべく分かりやすいアイテムを揃えていきました。恋愛経験のない彼は、マユと出会って変わっていくので、まずはいたって普通の男性の部屋にすることを心がけました」 愛しのマユと離れ、東京へ転勤になった鈴木は社員寮に入ることに。上京してからというもの、段々あか抜けてオシャレな男性になっていく。

東京の社員寮は、内観外観ともに千葉にある取り壊す予定の旅館を借りて撮影。「いろいろ手を加えることが出来て助かりました。外には竹の塀で囲ってある露天風呂があって、そこはさすがに寮に見えないので、大きなブロック塀をつくって隠しました」。

電話は黒電話からプッシュホンへ。「劇中では留守番電話つきのものに変わっていきます。寮では、堤幸彦監督の要望で、あまり見たことの無いカード式のものに。実物は手に入らなかったので、形が似ているものを持ってきて、手を加えて作りました」。
「そんな彼の変化に合わせて、引っ越してきたばかりの何もない状態から、段階をつけて部屋のセット替えをしていきました。照明を、当時流行ったフラミンゴのライトに途中で変えたりして。この部屋は、昔遊びにいったお金持ちの息子の部屋を思い出しながらつくりました(笑)」 遠距離恋愛になってしまったものの、鈴木は週末になると甲斐甲斐しくマユの部屋へやってくる。



静岡のマユの部屋。「当時はなんだかわからない“キャラクターもの”が結構あったんです(笑)」。エリマキトカゲも流行したもののひとつで、クッションのモチーフに。

白をベースに、ラジカセやテーブルなどで赤を効かせた。家具も高価なものではなく、ホームセンターなどで手に入る安価なものを時代に従って選んでいった。

「ここは昔友達と遊びに行った女の子の部屋の記憶を辿りながら(照)。白いカーペットやガラス天板のローテーブル、低いソファーでカップルが並んで座れるような“ラブチェア”とか、流行も押さえて揃えました。鈴木がやってくるようになってからは、赤と青の色違いのものを少し足して。ペアルックが流行っていたので、そういうテイストも入れました」

床から一段上がった、ゴザを敷いた座敷のある懐かしの海の家。昔風のシャワー室も完備し、細かい部分まで再現。「ここは、東京に来て初めて友達に誘われていった、三浦海岸の海の家をイメージしています(笑)」。

劇中で印象的なシーンとして登場するホテルの前のクリスマスツリー。LEDが主流の現代で、なかなか手に入らない当時の白熱電球を集め、本物のもみの木に飾っていった。「ここはこだわりました。かなりの量を使用するので大変でしたが(苦笑)。やっぱり画に映ったときに、明かりが違うんですよ」。

脳内が暗くなるシーンでは、扉をグレートーンに塗り直し、レースやチュールなどでつくられた黒い斜幕を天井からたくさん垂らした。その布の中央部分に照明を仕込んで風でゆらす事で、何ともドラマチックな雰囲気を演出している。

映画『イニシエーション・ラブ』の公開まであと3日
監督やキャストだけではなく、美術スタッフの熱い想いが詰まった素晴らしい映画です!
そんな美術セットの細かいところを観るのもこの映画の楽しみ方のひとつですね♪
ワクワク、ドキドキしてきました!!
(≧▽≦)