「ウリャ!」(あれ?)

「トリャ!」(あれ?)

道具を手に入れたので、練習場探し。
高いネットを張り巡らせているところが練習場であることは、ゴルフを知らずとも薄々感づいていた。

自宅の近くには、四つの練習場があり練習環境としては恵まれている。

こじんまりしているが、一番近い練習場に足を運んだ。

冒頭の変な台詞。

空振りこそないものの、真っ直ぐ飛ばないのである。曲がっているのではない。曲がるとか、そんな大それたレベルではない。

シャンクしているのである。
どう振っても、何を持ってもシャンクなのである。

初心者はスライスといわれるが、スライスどころの騒ぎではないのである。

〈止まっているボールなのに〉

これには困った。

丸いボールを平たいフェースにスクエアに当てることができないのである。

なんとか解決すべく、先達に教えを乞うた。

仕事が終わってから、先輩達に連れられて練習場通いが日課となった。

先生となるべく先輩は、取っ替え引っ替え、残業があっても、終わってからつきあってもらい、みてもらった。

「手首を使うな。」
「インパクトは、アドレスの再現。」
「短く持て。」
「ヘッドアップや!ボールから目を放すな!」
「グリップやグリップ。グリップの形を作る器具とか売ってるで!」
〈そんな、ご無体な〉
「この本貸したるは、スウィングの解説が書いてある。これで勉強し!」
「トラック🚚一杯分のボールを打て。」
正面に立ち、クラブのシャフトで頭を固定したままスウィングさせたりと、先輩方も手を替え品を替え指導に忙しい。

ゴルフというスポーツ。
一筋縄にはいかない、厄介なものに巻き込まれつつあることに、ようやく気がつきはじめた。

「おい、暖かくなったら泊まりでコンペ。温泉入って、美味しいお酒飲んで、ラウンドや。」

「え?あ、は、はい。」

どうやら先輩の解説によると、社内でもベテラン達はゴルフも上手く、社内のコンペでもブイブイいわしてる。若い初級者ゴルファーは太刀打ちできない。そこで、二軍ともいえる下部組織を作り、定期的にコンペを開催、上達を目指しているという。
その下部コンペを泊まりで行う予定としているのとのことであった。

12月にクラブを手に入れ、春にコンペ。時は1月、残り3〜4カ月で、「ウリャ!トリャ!」をなんとかしないといけないことになる。

手の皮はズルむけ。
力の入れ具合が分からず、右手も左手も手袋していても。

剥けたところをテーピングして、ひたすら打ち続けることで、シャンクからプッシュくらいまでにはなった。

この辺りで年度末を迎えることになる。

「このまま、初ラウンドがコンペになるんですか?ルールもマナーもわからん状態ですが!」

「よっしゃ、プライベートで一度周っとくか。」

さっさと、ゴルフ場にエントリーし、メンバーを集めはじめた。

年度が変わった4月上旬、コースデビューがとっとと決まった。

(すんません。また、つづく。です)

(25年前のスウィング)