「自分、ゴルフせぇへんの?」


この言葉から始まった。
今の会社で初めて配属となった職場の先輩からの誘いであった。

仕事はもちろん、お酒、ツーリングにと、なにかと面倒みてくれる、頼れる兄貴といったところ。

入社間もない、はじめてのボーナスは、ほんの心付け程度しかいたたげなかったが、冬のボーナスはそこそこいただいた。

支給日の朝、今日は本町まで飲みに行くぞと声をかけられた。断る理由はもちろんない。喜んでついて行く。

地下鉄御堂筋線の本町駅。
7号階段を上がると、そこには「つるやゴルフ」本店がそびえ建っている。

なんてことはない、ボーナス貰ったので、クラブを買い求めろとのことであった。

当時は、独身貴族の身。
ゴルフに興味がないわけでもない。
が、しかし、ゴルフは大人のお金持ちの遊びのイメージが強く、筆者のような若造(当時)がすることに、とてもとても違和感を感じていた。
まだ、ゼェゼェハァハァと息を切らせるスポーツが似合う年頃でもあった。

が、しかし、お世話になっている先輩の誘いを断る理由や勇気もなく、セット物を一式手に入れた。

SPALDING LONG FLITE

当時のSPALDINGといえばTOP FLITEが有名だが、その廉価版である。
もちろん、ウッドはパーシモン、ドライバー、スプーン、バフィーの組み合わせ。アイアンはマッスルバックで3鉄からのラインナップである。シャフトは全てスチール。

今でも難しくて手に負えるスペックではない。

しかし、これが当時の初心者キットだったのである。

当時は、そんなことも知らずに、つるやゴルフを後にし、居酒屋で景気をつけた。
もちろん、先輩の奢りである。



すんません。
つづきはまた今度。