相棒。

    先輩に誘われて、半ば強制的にはじめたゴルフ。かれこれ30年になる。当時は、キャディさんに連れられて、歩きのラウンド。今のような乗用カートはまだない。



   雨の日は、持参した傘で雨風を遮ることが標準的な雨のラウンドである。当時の私は雨傘といえば、白い柄の曲がったビニール傘、キャディバッグにも収納できる柄のまっすぐな、拡げると銀色に輝く晴雨兼用の銀傘は、ゴルフに行き慣れた、いわゆる上級者しか持っていなかった。



   雨の日ばかりゴルフをする訳ではないので、買い求める順番としては最後になるアイテムである。


しかし、雨の日にビニール傘ではなんとも頼りなく、光り輝く銀傘には、憧れすら覚えてしまう雨のラウンドであった。



    ある日、練習場のフロントに特売品として置いてあった銀傘。価格はビニール傘と同じ500円。抜群のコストパフォーマンスである。一も二もなく買い求めた。拡げてみると「TDK」の文字がある。販売促進用の物が流れてきたもの。だからこの価格かと、妙に納得した次第。


   相棒との出会いである。


   相棒のおかげで雨の日も胸を張ってのラウンドとなり、しばらくは雨が楽しみとなり、雨ゴルフのモチベーションアップに貢献した。



   いつの頃からか、ゴルフ場は乗用カートが主流となり、カートには晴雨兼用の傘が4本、ゴルフ場が用意してくれるようになった。



乗用カートのゴルフでは相棒の出番も少なくなった。



  しかし、ここ10年ばかり河川敷ゴルフにはまり、またまた、相棒の活躍に笑みを浮かべておりました。



   出会って30年。文字通り雨の日も風の日も、河川敷では晴れの日も一緒に過ごしてきた相棒であったが、今年の梅雨ゴルフ。とうとう、骨が折れてしまい引退してもらうことになった。



   新しい相棒を探しているが、ここで、改めて相棒のスペックを調べてみる。

   70cmの長さに対して、300gそこそこの重量しかなく、至って軽いのである。同じような傘が見あたらない。


   販促用、恐るべしである。


   時はバブル期、接待ゴルフで雨の日に接待相手に配っていたものではないか。


ラウンド後はお持ち帰りくださいと。お客さまにお配りするものに安物は渡せないのではないのか。


   時はバブル期である。そんな銀傘だったのかと、相棒の出自に想いを馳せる。

平成最後の梅雨である。