こんにちは、松永です。
今日は、かなりマニアックですが、ゴムボートのボート布のお話をちょっとしますね。
ボート布には大きく分けて2種類あります。
1つはPVC(塩化ビニール系)、もう1つがCSM(ポリエチレンに近いゴム)。.
PVCのゴムボートは聞いた事がある方も多いと思うのですが、CSMのゴムボートってあまり聞いたことがないですよね?
ハイパロンのゴムボートというのは聞いたことがあると思うのですが、このハイパロンのゴムボートと言うのが、実はCSMのゴムボートなのです。
しかし、このハイパロン、もうこの世では生産していないのです。
どういうこと言うと、
ハイパロンと言うのは、デュポン社が作るCSMの事をハイパロンと言うのですが、デュポンはCSMの生産を中止にしました。したがって、当然ハイパロンはもう存在しないということになのです。
当時、日本ではハイパロン製のゴムボートとしてはアキレスが有名だったのですが、アキレスはデュポンからこのCSMのペレット(ハイパロン)を買って、このCSMのペレットをもとに自社でボート布を作りそのボート布で製造したゴムボートをハイパロン製のゴムボートとして販売していたのです。
また、ハイパロン製のゴムボートと言っても、各メーカー(ゴムボートメーカーやボート布メーカー)がそのデュポン社のCSM(ハイパロン)で、どのようにボート布を作るかによって、その品質は全く違ってきてしまいます。
ボート布を作るためには、CSM以外にサルパ(硫黄)、カーボン、オイル、クロロプレン、合成天然ゴム、天然ゴムetcなど様々な物質を混ぜ合せるのですが、それぞれ混ぜ合せる比率は各メーカーによって全く違うからなのです。
今はデュポンがこのハイパロンというCSMを生産していないため、各ゴムボートメーカー、もしくは、ボート布メーカーは日本のトーソーという会社のCSMを買い、それぞれボート布を生産しています。
また、トーソーも自社で作ったCSMに、デュポン社のハイパロンのようなブランド名は何もつけず、ただCSMとして販売しています。
ですので、アキレスは、今はハイパロン製のゴムボートではなく、CSMのゴムボートとして生産販売をしているのです。
またジョイクラフトで出しているJEH-385はORCAのボート布を使用しています。
このORCAというのは、フランスのペネル&フィリッポ社が作るCSMのボート布のことで、世界最高水準のボート布としてもとても有名です。
当然、ペネル&フィリッポ社もトーソーからCSMのペレットを買い、ペネル&フィリッポ社独自の技術と配合割合でORCAというブランド名のボート布を作っています。
アキレスとジョイクラフトのボートでは、同じCSMのボートでも、
アキレスはトーソーからCSMを買い、自社でボート布を作り、その自社製ボート布でボートを製造し、ジョイクラフトは、ペネル&フィリポ社がトーソーからCSMを買い、ORCAというボート布を製造し、そのORCAでボートを製造しているのです。
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