起業して1年後のジレンマ
お疲れ様です。
FIRSTITPRO代表の川端です。
先日、FIRSTITPROの起業応援サービスを申し込んで頂き、クイックコンサルティングの会員になられた、H社長にご挨拶の電話をしたときに数分でしたがお話をさせていただいて、起業後の社長のジレンマのようなものを、思い出しました。
わたしも28歳のときに会社を興して、同じようなジレンマに悶々とした日々がありましたので、懐かしくも思えて、起業したての経営者の方で共感する方がいらっしゃればと思い記事にさせて頂きました。
H社長には、ご了解頂いて今回の記事を書かせて頂いております。
わたしは、3歳のときに両親は離婚して母子2人きりの家庭で育ちましたが、幼い時から「欲しい」という欲求が強かったと思います。
保育園~小学生の時代にはTVを見れば「これほしい・あっ、これも、これも!」って言っていたのを覚えてます。おもちゃ屋の前で座り込んで、買ってくれと、動かなかったことも記憶の片隅に残っている。
100m走では、1位にならないと気が済まなかったですが、記録にはこだわりはなかったと思います。だから学年で1位とかいうのは余り興味が無かった。横に並んだ状態で実際に走る数名の中では1位にならないと気が済まなかったんです。
勉強もクラスで上位、スポーツも、部で上位であることが、わたしの価値観だったように思います。
こういうことを思い起こすと、面白いもので、自分のルーツを客観的に、見つめられるんですね。まあ、今だからなんでしょうが。
わたしが社会人になってからも、思えば同じでした。会社の同僚で1番とか、システム開発の現場でトップとか・・・
その直接かかわり合う枠の中でトップでいたいという欲求が強かったんですね。
これが自分の会社を興し、人を雇用し経営者になると、突然、この枠が無くなってしまうんですよ。
ですから、会社を創業した当時は、与えられていた枠が無くなってしまったために何に勝たなければならないのか、誰よりも優位にならなければならないのかという闘争心が、宙ぶらりんになりました。
そうすると、一気に不安になるんです。
こんな感覚って分かりますかね?
それまでは、会社を興すということの「枠の中」で協力者を募り、資金を準備し、オフィスからトイレットペーパーに至るまで自分で調達し、当然、仕事の段取りも付け順風満帆な立ち上げで、意気揚々と目の前の仕事に取り組むんですが、1年位すると、そう、満足感が得られないんです。日々、会社の運営に追われ、売上を上げ成長させていくことは、良いのですが、なぜか不完全な感じがしてました。
わたしの場合は、2年目、3年目と、自分の会社に変化を求めました。下請けではなく、メーカーへの挑戦。1年間、わたしは自社製品の開発に心血を注ぎました。他のメンバーに通常の下請け開発の仕事で売上を上げてもらい、わたしは、モデル企業を探し、その企業の業務の仕組みを分析して自社製品を創り上げます。市場には未だ無い、画期的な業務ソフト(「ザ・店舗」というソフト)でした。
今、思えば、自分でわたしは「枠」を作ったんですね。「素晴らしい画期的な製品を武器として持った会社」を目指したのです。そして競争に勝ち抜いていこうと。
モデル企業でのテストを繰り返し、完成した、この武器をもって、今度は売り込みに駆け回る日々が続きました。ですが、世間は冷たいもので、一日100件位を目標に飛び込み営業(体育会系です)しても、話を聞いてくれるのは0件。やっと、話を聞いてもらえても、成約までたどり着くのは0件でした。
そして、3年目には売上が落ち、資金繰りが苦しくなります。自分ではジレンマから抜け出そうと必死になって進んで創り上げ、「武器」を持ったのに「武器」にならないという現実に打ちのめされました。
なにが言いたいのかというと、ジレンマとはある問題に対して二つの解が存在し、それらが互いに矛盾し受け入れがたいものである状態のことでなんです。
「あるべき姿」と「相反する現実」のギャップということですね。
重要なのは、この「あるべき姿」なんです。これを真剣に見つめてトップダウンして考えていかないと現実に波及していかないんです。
わたしの例でいえば、「素晴らしい画期的な製品を武器として持った会社」が「あるべき姿」であり自分が作った「枠」です。ここで戦った。この武器があれば勝てると思ったんですね。
武器を持つことは、達成した。
ですが売上は落ち、資金繰りも厳しくなった。
もう、お分かりですよね。
そもそも、「あるべき姿」の設定が誤っていたんです。わたしのは、ただのマスターベーションから生まれた「手段」で終わっていたんです。このあとのマーケティングや販売戦略などを通して、収益を上げ、顧客に、社会に何を提供してのかという会社の存在意義や、それに対して、どれだけの報酬を得る会社になるのかという会社の価値という観点までたどり着いていなかった。
先日、お話したH社長が、丁度、この18年前のわたしにダブりました。
バイタリティが強く、前向きで行動しているのですが、「あるべき姿」がずれているんです。本当は、その先にイメージを持っているはずなんですが、これをうまく具現化出来ないんですね。
ですから、おのずと、自分が動く「枠」を自分で決めてしまい、その「枠」と「あるべき姿」の狭間でジレンマを繰り返すことになるんだと思います。
この部分に気付かせてくれるブレーンや友人、業界の先輩経営者などは、残念ですがあまりいないですよね。わたしの時もそうでした。
H社長は、このことに気付いて頂き、現在はご自分のイメージであるものを具現化する作業に入られてます。
こんな、ITとは関係しないメンタルなお話も、全力でご支援させて頂いてます。
日々鍛錬。前へ前へ、一歩でも前へ。
「夢は見るものじゃなく、叶えるもの」
「幸せは成るものじゃなく、感じるもの」
良い言葉です。
「線を描いて点を捉えることのできる人は成功する」
「人が人を繋ぐもの」「人は人を繋ぐもの」
(川端語録)
「日本の根底を支える50人以下の企業へ最良の経営とITを」
FIRSTITPRO 代表 川端 俊之