朝日新聞の別刷り土曜版BEって結構面白い記事が多くて、毎週楽しみにしていますが、いつのころか忘れましたが、そこに勝間和代さんが「勝間式『自分ナビ』宣言」という題名でコラムを毎週連載されていまして、その内容にとても共感していました。
それで勝間和代さんの本を読めばよかったのですが、とりあえず無料のオフィシャルサポートメールを申し込んで購読し始めたと思います。それがいつだったかははっきりと思い出せないですが。
それで勝間塾というのを存在することを知るのですが、その目的が5年後に著者レベルにまで引き上げるというものだったので、あまり興味がわきませんでした。自分には関係ないと思ったのです。
それでも気にはなっていました。それまでは自己啓発に関する本を読んだこともありませんでしたし、そういう会合に行くこともありませんでした。
それでは、なぜ自己啓発に興味を持ったかと言うと、それは3-4年ほど前から船井総研の案内がくるようになり、非常に厳しい状況の機械工具業界のレベルアップのために各都道府県に1社だけ限定で会員を募集し、地域オンリーワンとなるべく活動をしているというような案内がきたからです。
船井総研の活動にはいまいち興味を持てなかったのですが、なにかやったほうがいいなあとは思いました。それに素手で船井総研で勉強した奴らに勝てるかなという思いもありました。
それから前の会社の社長がもう十年以上前からマッキンゼーのコンサルティングを受けていると
いうことも聞いていたので、自分の力だけではダメ、なにか勉強しなくてはと思い始めたからでもあります。
それで2014年の12月に決心して、まず入るなら勝間塾に入ろうと思い、切りが良い2015年1月に勝間塾に入塾したのです。
そして1月から3月まで毎月東京まで行き、月例会に参加しました。1月と3月には月例会のあとの2次会にも参加しました。そこで同じ塾生とも知り合い、徐々に勝間塾の勝手がわかり始め、コミュニティに投稿を始めたりしたわけです。
それで勝間塾には月例会以外にも塾生によるイベントがあるのですが、塾生のひとりで、国語教師のゆかさんという方が先生役をしてくれる大人向けの添削付書評講座が8月1日(土)午前に開かれることが案内されました。
イベント自体関東で開催されることが多いですし、僕自身も出張が多いので、なかなか参加したくでも参加できないことが多かったんですけど、その時はたまたま金曜日の夜に岩手から大阪に帰る途中でもあったので、土曜日の午前なら間に合うと思って、すぐにこのイベントに申込みしたんです。
本当にラッキーでした。
それで、もちろん書評講座ですから課題本があり、それについて書評を書き、イベント前にゆかさんに提出して添削してもらうんですよ。
それでその課題本が勝間和代さんの「やればできる」なんです。実は勝間さんの本はまだほとんど読んでいませんでした。最初の印象は「やればできる」・・・か!ってな感じでした。
そんな感じで、課題本がわかっとときは出張中だったので、とりあえずKindle本を買いました。そして出張中のホテルとかで読み始めたのでした。
勝間和代著 「やればできる」 書評
「やればできる」。
題名を読んで勝間さんもこんな当たり前のことを出版しなければ、
食べていけなくなったのか。そろそろネタが切れてきたのか。
ってそんな声が聞こえてきそうなタイトルです。
しかしこの本を読んで、タイトルのもつぼくの印象は180度変わることとなりました。この本は勝間さんの今までの経験、そしてそれによって得たことをとにかく多くの人に伝えたい。そんな思いが詰まった本です。
そしてこの本に書かれていることはとても本質をついており、今の日本に欠けているもの、そして今の日本でやってはいけないことが書かれた非常に優れた啓蒙本であり、この本によって勝間さんに対するぼくの評価が単なる評論家、仕事ができる人、頭の回転が速い人から、本当に尊敬すべき第一人者に最大限格上げされることとなりました。
さらに、この本に書かれている内容について、是非、多くの人に知っていただくため、そして勝間さんの考えていることを多くの人に広めるために、勝間さんまたは勝間さんの教えを広める宣教師になることをいとわないくらいぼく自身にインスピレーションと感動を与えることとなってしまったのです。
それではこの本がぼくにそこまで最高に評価される理由はなんでしょうか。
それについて、書いてみたいと思います。
この本が出版されたきっかけが香山リカさんの「しがみつかない生き方」にあります。
この本のなかで、香山さんは悪魔のささやきであるコンプレックスビジネスの存在を否定していません。
だれしもコンプレックスはありますから、それをなんとか解決するためのコンプレックスビジネスは必要悪なのかもしれません。しかし、その目的によって人々が精神的に病気になり、ひいては幸福を望みながらがんばりすぎて不幸になると書かれています。
ぼくは、これは読者をミスリーディングしているんじゃないかなと思います。
おそらくですよ、勝間さんも同じように考えているのではないかと思っています。
コンプレックスを解消するコンプレックスビジネスについては、勝間さんが常に否定しているように、努力をせずして簡単に良い結果がでることはありません。
短期間で結果を出そうとするため、努力をしても成功するかどうかは確率的にはとても小さい。反面、短期間に無理な努力を行うことによって病気になるなどデメリットもあります。
コンプレックスビジネスは、こうしたデメリットや副作用についての言及がほとんどされていないことが多い。しかも自分にとって弱みとなるコンプレックスであるから、たいていそれは苦手分野であることが多いです。
人にはそれぞれ違った能力、特長があり、それぞれの能力、特長を伸ばし活かしたほうが自然です。弱点であるコンプレックスを克服することを積極的に推奨するコンプレックスビジネスは
不自然な行為ではないでしょうか。
日本人ならだれでも弱点を克服するように教育させられてきていますから、弱点を克服する努力をする。あるいはそれを助けるサービスがあれば、積極的に活用してなんとか弱点を克服する。
そして克服したあかつきには「すごくがんばったね」と最大の賛辞がもらえる。そのように書くと美談になります。しかし、香山さんの本でちょっと違和感を感じるのは努力=病気の元としていることなんです。勝間さんならたぶん、そうではなくて、間違った努力=病気の元にすると思います。
香山さんは「しがみつかない生き方」の前提となる努力について、それをコンプレックスや弱点を克服するための努力と認識し、読者に対して努力することだけが人生ではないというような
ことを書かれていますが、それはちょっと勝間さん流に言うと違った見方になるのではないかなと思います。
また同時に香山さんは勝間さんがいかにも先天的に秀才で脳の構造が他人とは違うかのような印象を読者に与えているように思いますが、これについても本書「やればできる」のなかで勝間さんの経験と知識をフルに活用して読者に非常にわかりやすく説明されており、勝間さんがやってきたことはだれにでもできるということを証明していると思います。
本書で説明されて勝間さんの分析による
しなやか力
したたか力
へんか力
とんがり力
ですが、いままでこのような分析を行い、4つの力に単純化した例はほかにあったでしょうか。非常に優れた分析であり、多くの読者にとって非常にわかりやすい解説となっていると思います。
そしてこの根底に流れる思想は、努力とは改善であるということ。
そして改善を毎日、呼吸するのと同じように自然に行えるようになることが理想であるということ。
そのためには、呼吸をするのと同じように自然に、日々少しづつの努力、改善を行うとよいこと。
そして自分の強みを知り、それを与えられたギフトと思い、その強みの能力向上に努め、自分のもっている強みを持っていない人と協力すること。
そして常に時代の大きな流れの中で日々気づかない変化に敏感になり、自分自身をその変化に適応させること。
そして小さなコミュティでも良いので、そのコミュニティのなかで第一人者となること。こうした人には必ず協力者が現れ、周囲にも非常にいい影響を与えるということ。
もちろん、当事者にとっては、そうすることで自分の求めるものを引き寄せる力も発生し、より能力を大きく開花させることができるということである。
香山さんのばあい、コンプレックスビジネスによる弊害ともいうべき結果について、あたかも努力が悪いと言うかのようである。
これに対して勝間さんは努力は悪ではないが、短期間に集中してやる努力は長続きしないということ。そして結局は愚直に毎日少しの改善を行っていくことが重要であると説いています。
さらに勝間さんは努力の方法についても、間違った努力をしないこと、つまり自分の長所を見ずに短所ばかり注目することをやめ、長所をもっと伸ばすこと、もし長所がわからなければ、ストレングスファインダー等の自己分析テストを行い、自分の長所、能力を知ることを推奨しています。
そして自分ひとりではなく、仲間をつくり、仲間と一緒に行うことを説いています。これは悪魔のささやきであるコンプレックスビジネスから自分自身を守るためでもあります。
今の日本では、そこそこの結果で、そこそこの生活で、そこそこの幸せがあることで満足している人は多いと思います。これもコンプレックスビジネスによる大きな弊害であり、香山さんの著書のようにミスリーディングする本やマスコミ、教師による弊害ではないかと思います。
これを正しい方向に導くことが急がれるのは言うまでもありません。
日本は先進国でありながら、少子高齢化など多くの問題を抱えています。
また日本のホワイトカラーの生産性はOECD諸国のなかでも非常に低レベルであります。もし日本人が香山さんの推奨するそこそこでいいと言う生き方をしていけば、経済大国世界3位の今の日本もいずれ4位、5位、と低下して国力が落ちていくでしょう。
勝間さんが本書で説くように努力が悪いのではなく、努力の方法が悪いのであります。正しい努力をすれば、誰でも能力を高めることができ、ストレスもかからず、精神的に病むこともなく、そして多くの人を幸せにできるのだと思います。
そして日本人がみなそれぞれの知恵、能力を出し合って問題解決に挑めば、少子高齢化やホワイトカラーの低生産性などの問題は必ず解決できると思うのです。それこそが本書の大きな目的であるように感じます。
勝間さんは香山さんの著書「しがみつかない生き方」に答えるという形で、非常に短い時間のうちに、自分自身の経験と知識をより多くの読者に理解できるように4つの力に分析しました。
それは、非常に多忙な彼女が本書の執筆に多大な心血を注いだ結果だと思います。彼女がこの本の執筆に力を注いで、タイムリーに本が出版されたことによって読者がミスリーディングされることなく、正しい方向に導かれたと思います。そうした勝間さんは最高に評価されるべきだとぼくは思います。
やればできる―まわりの人と夢をかなえあう4つの力/勝間 和代

¥1,543
Amazon.co.jp