明治維新以降
中国、ロシア、第一次世界大戦、第二次世界大戦
四つの対外戦争を戦った日本。

膨大な犠牲を払い
国民のほとんどの人が戦争やむなしと
考えたその理由はどうだったのかを
日本近現代史を専門とした
東大の教授である加藤陽子先生の理論を学べる書。
それでも、日本人は「戦争」を選んだを読み終えた。

膨大な犠牲と反省を残しながら
明治以来、四つの対外戦争を戦った日本。

国の指導者や軍人、官僚や政治家たち
そして一般市民の多くが
それぞれに国家の未来を思い
国力に圧倒的な差を誇るアメリカを相手に
参戦やむなしの判断を下した。

その論理を支えたものは何だったのか・・・

今となれば理解不能な決断に至った
当時の時代背景や
明治以降の世界と日本の外交プロセスを
詳細に整理すればするほど戦争に向かった理由を
理解できるようになったことが残念で
人間が戦争を避けられない動物である原因にまで
結びつけることができた気がする。

バブル崩壊以降
長い間経済成長が止まり
経済成長の明るい兆しの見えない日本は
形を変えて社会の課題が複雑にはびこり
解決できない課題を抱え
情報インフラの仕組みが変わり
新たな課題を生んでいる。

時代が変わり
簡単に戦争へと歩を進めにくい状況にあるとは思われるが
世界各地で起きているナショナリズムの盛り上がりと
戦争経験者の減少や日本近現代史
非常に危険な状況にあると感じている。

隣国で起きている状況を他人事とせず
興味を持ち過去の過ちとの共通点がないか
注意して観察する上でとても参考となる書物でした。



★内容(「BOOK」データベースより)
膨大な犠牲と反省を重ねながら、明治以来、四つの対外戦争を戦った日本。指導者、軍人、官僚、そして一般市民はそれぞれに国家の未来を思いなお参戦やむなしの判断を下した。その論理を支えたものは何だったのか。鋭い質疑応答と縦横無尽に繰り出す史料が行き交う中高生への5日間の集中講義を通して、過去の戦争を現実の緊張感のなかで生き、考える日本近現代史。小林秀雄賞受賞。

★著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
加藤/陽子 
1960(昭和35)年埼玉県生れ。東京大学大学院博士課程修了。東京大学大学院人文社会系研究科教授。専攻は日本近現代史。2010(平成22)年『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』で小林秀雄賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)