歌うくじら 上
「歌うくじら 上」を読了。
村上龍著であるので、ハズレはないと思い購入。
上巻だけの感想ですが、エグイです。
前作の「半島を出よ」も結構エグかったですが、今回もまたエグイ。
暴力の描写とそれに対する主人公達の反応がエグイです。
主人公達の反応については、主張したいことに関わる部分でしょうから仕方がないにしても・・・・。
近未来の北部九州から話は始まります。
この時点では、この時点で風景が上手く想像できなかった・・・。
近未来の世界観は、過去に僕自身がアニメや映画で映像として情報を得ているため、
どうしても当てはめようという無意識が働き、殺伐とした廃墟のような未来なのか所謂近未来を創造すべきなのか困惑した。
上巻を読み終えた感じでは、現在の日本というか自由資本主義が行き過ぎたら結果の世界だと分かり、上記の両方の世界観が当てはまることが分かる。
簡単に書くと格差社会が異常発展した結果、貧困層と富裕層がまったく交わらない世界であり、その結果、廃墟と近未来的世界が同時に存在している。勿論、富裕層がコントロールしているのですが・・・。
キーとなる設定に「文化経済効率化運動」という事がある。
これは、経済を効率化するために無用な文化は排除しようとする運動で、「敬語」「結婚」「民族的な催し」その他を排除している。
その世界では、主人公を含め、道徳心というものが全くない。
悪気はないのだが、生き物の生き死にや他人に対しての起こる感情がない、これがエグイ感を強める。
「歌うくじら」というどこか牧歌的なタイトルから想像がつかない重い話になっている。
下巻では、どういう回答を得れるのだろう。
