「これまでになかった魔王と勇者の関係だなー」とか「ん?狼と香辛料っぽい?いやいや福山さんと小清水さんじゃん!これどゆこと!?w」とか「でもやっぱ小清水さんいいわーーー」とか。色々思って観てたんですけれど。

農奴出身の、少女の神演説で全部ぶっとんだ。
私にとってのこの作品の70%は、あの演説ですわ。100%同意は出来ないかもだし、虫にちょっと失礼やろw、とも思わないでもないけど、やっぱりすごい。マーチンルーサーキングJr.のI have a dream!以来、演説で感動したのなんて。

基本的には魔族と人間の戦いを描いたこの作品。そして魔王と勇者が手を組んで、この戦を終わらせようとする。でも簡単にねじ伏せようとするのではないところが、白眉たるところ。とてもリアルにロジカルに、平和論を語っていく。戦争、宗教、人種、経済。それぞれが絡みあって社会は成り立っていて、どこかにバイアスがかかるとねじ曲がっていくという事。とても考えさせられもした。

 

ただ、狼と香辛料と同じようにちょっと分かりにくい。その点がこの作品の深みでもあるけれど、面倒くさい所でもあるのかな。それと最後の魔王ご乱心、のあたりの展開も良く分からない。最後もなんかまとまりきらなかった感。

 

だから何せ、あの少女のあの演説がこの作品のクライマックスかな。凄すぎました。