「贄姫と獣の王」このタイトルが、この作品のテーマをよく現わしている。いけにえと王様、身分で言えば最低と最高。その二人が出会って、心を通わせる。そして二人で、世界を変えて行く。身分や血統や種族を超えて、みな平等で自分らしく生きていける世の中を作っていく。もちろんそれは、この現世界での大きなテーマでもある。

魔族が統治し、人間は最下層とされる世界。その魔族にも、種族によって身分の違いがあった。その魔族の王には半分人間の血が流れていて、王はそれをひた隠しにしていた。その王の前にいけにえとして、人間のサリフィ差し出される。王の真実を純粋な心で見抜いたサリフィは王の心も捉え、妃候補となる。するとそれまで魔族だけだった宮廷内、サリフィの周りには、途端に色んな種族が集まってきて仲良く暮らし始める。最初はいがみ合っても、ぶつかり合っても話し合って和解する。つまりは現代社会のダイバーシティだ。多様性を認めよう違いを尊ぼう、という事。敵味方に分かれて争い憎み合った時、味方は正義かもしれないけれど良く見れば悪もある。また憎い相手は悪かもしれないけれど、実は正義だってある。そこまでしっかり見据えたときに、果たして争う理由はあるのか。今現実社会で起きているすべての紛争を起こしている人々に、考えてもらいたい大きなテーマをもった作品でした。

 

私的にとても好きだったのが、爬虫類系?の王女、アミト姫。他にいるのか知らないけれど、アニメ史上最も可愛い爬虫類姫だと思いますw。もう何ならサリフィよりも可愛い。性格と声がとても可愛いのは割と作れても、爬虫類の見た目で女の子的に可愛い!と思わされたのはちょっと驚き。制作陣の魂感じた、キャラクターでした。