まずはこれから始めましょう、「宇宙(そら)よりも遠い場所」。

これまで数十の作品を見て、いくつかの作品には心奪われ滂沱の涙に浸ってきた私ですが。この作品が、一番好きです。OPEDを聞くだけで涙滲んできたときは、「ああこれが歳を取ると涙腺が弱くなるって事だな」とか思ってました。・・・が、「宇宙」という文字を見ただけで涙出てきたときは、「きっと自分は病気なのだな」とすら思いましたw。それくらい好き。

私は、スケールの大きな作品が特に好きなんですが。この作品は、女子高生が南極を目指す物語です。南極隊員で、南極で遭難してしまったお母さんに逢うために。この「女子高生」と「南極」のギャップがまたいいですね。でも南極目指すったって、「はいいいですよ」にはならないわけで。でも彼女は走るわけです、自分のやり方で。誰にバカにされても、絶対行くんだって、信じて。そして仲間が出来て…と。その力、信じる力。若さの力、稚拙だからこそ沸き出る力。そこに本当に、胸打たれました。

 

この作品中、賛否両論のキャラクターがいます。ヒロインのキマリちゃんの親友、めぐっちゃん。まぁ簡単に言うと、キマリちゃんを裏切るような事をします。そしてそれをカミングアウトして、自分から絶交しようって言いだすんですが。この子のした事で、この作品が台なしになった、という声もあります。

でも私的にめぐっちゃん、不可欠の素晴らしいキャラだと思っています。彼女がいなかったら、ただのキラキラ物語になってたでしょう。それでも良い作品と思いますが、彼女の存在がこの作品に深みと味わいを加えています。「人間てそういうものでしょ」と、私は思いました。そして彼女もまた一歩、踏み出すわけです。

 

13話で完結、というのも気持ち良い。見終わって、ああこれはこれで終了だわと思うわけです。この続編を描くのは、無粋と言うもの。次を作ったら、あの最終回の理由に触れなければならない。それはやはり、無粋。だからあれで綺麗に、完結、なんですね。

ただこの物語、視聴2回目以降の方が泣けるという特徴があると思います。例えば一回目ではよく分からなかった、第一話のタイトル「青春、しゃくまんえん」。一度観終わってその意味が分かると、もう、一話から泣けるわけです。5回くらい観たかなぁ、見るたびに泣ける気がします。

そして楽曲と、OPEDのアニメが素晴らしいのも白眉です。OP曲「Girls are Alright」、ED曲「ココカラ ココカラ」、挿入歌「ハルカトオク」。OPを毎回飛ばさないで観たのは、これと他にあと2-3しかないですね。それくらい、美しい曲とOPアニメでした。

きっとまたいつか、見る作品だと思います。その時もまた、涙してるでしょう。

  いつまでも、私に勇気と元気を、たくさんくれる作品です。