暮らしと民主主義の破壊の道
「本日より『高市内閣2・0』の始動です」―。高市早苗首相が2月18日に第2次政権を発足させてから半年がたちました。
高市首相によるクーデター的解散・総選挙で、自民党は単独で3分の2を超える衆院の議席を獲得しました。高市首相は「白紙委任」をえたとばかりに強権政治を進め、社会の分断を深めました。その先に待ち構えるのは、暮らしと民主主義の破壊です。
高水準だった内閣支持率は7月にはいって急落、下落傾向が続いています。政権の行き詰まりは徐々に深刻化しつつあります。
高市首相は7月21日、政権発足後初めてとなる「骨太の方針」と「成長戦略」を閣議決定し、「高市カラー」を全面に押しだしました。
■“裏切られた”期待
「成長戦略」では、戦略17分野に軍事を位置づけ、「軍事経済化」へ舵(かじ)を切りました。2040年度までに370兆円超の官民投資を行うとして大企業や軍事に異次元のバラマキを行い、「骨太方針」から「財政健全化」の文言を削って放漫財政を加速させています。
一方、労働者には長時間労働が押し付けられています。「成長戦略」では、5年間で労働生産性を15%上昇させることを指標とし、裁量労働制の対象業務の拡大検討も盛り込みました。
低賃金を放置したまま“もっと収入がほしいなら、副業しろ”と長時間労働と自己責任を押し付ける高市政権。国民生活無視の姿勢は、社会保障分野にも及んでいます。
「骨太方針」では70歳以上の高齢者医療の自己負担3割に向けた見直しが盛り込まれるなど際限のない社会保障切り捨て宣言を行っています。
高市政権に暮らし向上への願いを託した国民の期待は完全に裏切られ、先行きへの不安はさらに膨らんでいます。
■強権的手法の限界
高市首相の強権的な政治手法も行き詰まりつつあります。政治は本来、国論が二分しないよう、丁寧な合意形成に努める責務があります。ところが、高市首相は異論に耳を傾けず、自分に忠実な人だけを集める政権運営をおこなっています。
「悲願」とまで言う消費税減税は、来年4月から「2年間のみ」「食料品に限って」1%に引き下げると閣議決定したものの、具体的な財源は示せません。消費税減税をめぐって開かれた自民党の臨時総務会ではメンバー25人中9人が欠席するなど、与党内の足並みも乱れています。
特別国会の終盤では、連立を組む日本維新の会との合意の実現に固執。国民の総意とかけ離れた皇室典範改定や国旗損壊処罰法など暮らしと関係のない憲法無視の法案をごり押しし、世論の批判を浴びて衆院比例定数削減法案の特別国会での成立は断念に追い込まれました。「数の力」による強権発動の限界もあらわになっています。
この間、国会前や全国各地で市民による大規模なデモが取り組まれています。社会の分断をあおり、自己責任を押し付ける政治を変えるため、暮らし・人権・平和を守る人々の声を結集するときです。