日本共産党の田村智子委員長は11日、国会内での記者会見で、再審制度の見直し法案(刑事訴訟法改定案)の衆院での審議が重要な局面となっていることを受け、日本共産党と中道改革連合、チームみらいが共同提出した超党派議連案こそ「冤罪(えんざい)被害者や支援者、そして国民の声に応える冤罪救済法案だ」と述べ「政府案を撤回し、議連案の成立を最後まで求めていく」と主張しました。
田村氏は「冤罪は国家による最大の人権侵害であり、再審法の改正は、冤罪被害者を速やかに救済し、二度と国家による人権侵害を起こしてはならないという立場で行わなければならない」と強調しました。
9日の衆院法務委員会には参考人として、再審無罪となった袴田巌さんの姉の袴田ひで子さんや、袴田事件で再審開始を決定した際の裁判長だった村山浩昭弁護士が意見陳述したことを紹介。ひで子さんが政府案では冤罪被害者の命が救えなくなると陳述したことを指摘しました。
田村氏は、再審請求人への証拠開示を行わず検察官の抗告を許す政府案が、冤罪被害者から「これでは冤罪被害者を救えない」と批判されていると強調。「その声に応える法律を作らなくてどうするのかが問われている」と述べ、冤罪被害者や支援者、国民の声に応える議連案の実現に最後まで力を尽くしたいと述べました。
きょう強行採決狙う
衆院法務委員会の井上英孝委員長は11日の同委理事懇談会で、再審制度の見直し法案(刑事訴訟法改定案)を12日の委員会で採決する日程を職権で決めました。政府案では冤罪(えんざい)被害の救済が後退しかねない危険が指摘される中、与党は委員長職権で審議を打ち切り、採決強行へ踏み切りました。
自民党は同理事懇に、野党からの修正要求をうけて修正案を提示。法改定後5年ごとの検討の対象として、開示証拠の目的外使用の禁止規定や、検察が保管する証拠の一覧表を開示する制度を例示する内容にすぎません。
政府案は、証拠の目的外使用を一律に禁止する規定を新設。野党側が報道や支援活動の萎縮を招くとして求めてきた同規定の削除に与党は応じませんでした。
また、政府案の証拠提出命令制度は、再審請求人や弁護人が直接証拠の開示を受ける制度ではありません。野党側は、請求人に直接証拠を開示する制度とし、検察がもつ証拠の一覧も閲覧できるよう修正を求めていましたが、これにも応えていません。
理事懇では与党側が12日の採決を提案。中道改革連合などは、このままでは審議が尽くされておらず、冤罪被害者を救済できないとして同日の採決に反対しました。
12日には、並行審議されている日本共産党と中道改革連合、チームみらいが共同提案した超党派議連案を同時に採決することも決まりました。同案は請求人への証拠の開示や検察官抗告の全面禁止などを盛り込んでいます。