「戦争に、近づいてはならない」。遺作となった著書は、この国の未来を担う若い世代に向けたメッセージでした。『Z世代は戦後初めて銃をとる世代になるかもしれない』。昨年末、86歳で亡くなった丹羽宇一郎さんの最後の訴えです。

 民間人として中国大使を務め、国のあり方を提言してきた丹羽さん。戦争が絶えない世界を憂え、「平和は砂漠の蜃気楼(しんきろう)のようにぼんやりと姿を現してはすぐに消えてしまいます」と警鐘を鳴らしてきました。

 他国の戦争に日本が巻き込まれないためには憲法の平和精神に立ち戻って9条を順守し、国際問題の解決に武力を行使しないことを徹底して実行する。すなわち現行憲法を守ることに尽きると。

 若者たちが憲法について考え合う集いが都内で開かれました。憲法が保障する自由と権利を守るためにどう行動するか、戦争反対の思いを共有したい…。意見や感想を出し合う高校生たち。普段から憲法や平和を意識し、感じることが大切との思いも。

 あらゆる差別をなくしたいと参加した大学生や、社会は変えられるという気持ちを忘れたくないと話す20代の姿もありました。丹羽さんは、暗黒にみえる世界にもほのかな希望の光があるとして、光源は若いみなさんだと期待を込めていました。10回目となった若者憲法集会はその光を放つ場に。