参院災害復興特別委員会で29日、防災庁設置法案の審議が始まりました。日本共産党の仁比聡平議員は、高知県黒潮町の南海トラフ地震と津波への対策を紹介。津波避難タワーや避難道などの維持管理費を国が支援すべきだと求めました。
同町では15年前、高さ34メートルの津波が2分で到達するとの被害想定に「町の存続すら危ぶまれる」「避難しても、どうしようもない」という衝撃と諦めが広がりました。それに対し、大西勝也町長が「対策を諦めたり、町の営みを否定するような発言は一切を禁止する」と全職員を鼓舞。「住民の避難を絶対に諦めさせない」「犠牲者ゼロ」の取り組みが進んでいます。全職員による地区担当制のもと浸水地区のワークショップを重ね、「戸別津波避難カルテ」は100%を達成しました。
仁比氏は、こうした構えや取り組みの受けとめを質問。牧野京夫防災庁設置準備担当相は「黒潮町のような姿勢はこれからの地方の防災力の向上に大きく貢献しており、こうしたところを増やしていきたい」と述べました。
仁比氏は、同町の津波避難タワーなど防災インフラの初期の整備費は国の交付金などで賄われたが、維持管理費は全額自治体負担で、今後10年間で津波避難タワー(6基)の防錆(ぼうせい)対策、避難道(239路線)夜間照明の交換、防災倉庫(140カ所)の更新、避難誘導標識の交換などで約3億6千万円の経費が見込まれると指摘。「防災機能を維持していくために国による支援の検討を急ぐべきだ」と求めました。
牧野担当相は「ランニングコストは地方自治体にとって大きな負担になってくる。これから防災の面でどうするか考えないといけない。自治体だけに負担を持っていただくのはいつまでできるか。今後の課題の一つだ」と認めました。