国家情報会議設置法案 採決強行
政府のインテリジェンス(情報活動)機能を強化する「国家情報会議」設置法案の採決が26日の参院内閣委員会で強行され、自民、日本維新の会、国民民主、公明、参政各党の賛成多数で可決されました。日本共産党と立憲民主党、れいわ新選組は反対しました。同法案は、政府の「スパイ活動」の司令塔として「国家情報会議」「国家情報局」を設置。官邸の意向にそって情報機関が国民の個人情報をふくめ情報を集約します。(関連記事・反対討論要旨)

(写真)質問する大門実紀史議員=26日、参院内閣委
日本共産党の大門実紀史議員は反対討論で、同法案は、経済安保を含む米国の安全保障戦略に付き従い、日米共同作戦など連携を強化するものだと指摘。国際法違反の戦争を行い、各国に脅しの経済的圧力をかける米国への追随は国益を損なうと強調しました。
「国家情報局」が求めれば、各省庁保有の個人情報が目的外に提供され、個人情報保護法改悪案で本人の同意なしに集めた個人情報を同局が集約・分析することも可能になるのに「民主的規制が一切担保されていない」と告発しました。
違法性が認定された大垣警察市民監視事件と自衛隊情報保全隊による市民監視や、警察と公安調査庁も関与した旧動燃(現、日本原子力研究開発機構)の職員に対する思想調査・差別が司法の場で明らかになっており「各情報機関が何の反省もなく市民監視を続けるもとで本法案を容認することは、さらなる人権侵害を拡大する」と断じました。
質疑で大門氏は、高市早苗首相が編著で「日本もアメリカのようなDCSA(国防防諜〈ぼうちょう〉安全保障局)を設置する必要があります」と述べていたと指摘。米国の政府職員や防衛関連産業で働く人たちを継続的に監視しているDCSAのような組織が必要なのかと追及しました。高市首相は「コメントを控える」としつつ外国の情報機関による政府職員に対する諸工作への対応を不断に見直すことは重要だとの考えを示しました。
大門氏は、各省庁から集める膨大な個人情報の処理システムは、米国では民間のパランティア・テクノロジーズ社に委託されていると指摘。同社のシステムが米国で市民監視、移民税関捜査局(ICE)の移民監視など大量の個人情報の収集・分析に使われ、人権団体に「不必要な大量監視」と批判されていることなどを挙げ、高市首相が3月に同社会長と会談した目的をただしました。
首相は、同社のシステムを日本政府が使用する可能性について「何ら決まったものはない」と述べながら否定しませんでした。大門氏は必要以上の国民監視、プライバシー侵害強化の懸念が国民に広がっており、第三者機関や国会の監督・監視の仕組みが必要だと指摘。「採決など到底早い。廃案にしてよく考えるべき大変危険な法案だ」と批判しました。